
代表:小林
通称:蜂のおっちゃん
住所:板橋区前野町
事業:ハチの駆除
今回取材させていただいたのは、”蜂のおっちゃん”こと小林さんです。今年で66歳を迎えるとは思えないほどエネルギッシュで、建築会社を25年以上切り盛りしてきた社長でもあります。「これからはハチ駆除に専念したい」と語る小林さんの人情あふれる人柄と仕事への情熱に迫ります。
これまでのキャリアについて
高校を卒業後、自衛隊に4年間在籍していました。自衛隊を退職後は民間企業でサラリーマン勤めをしていましたが、どれも性に合わず、建築業界に足を踏み入れました。
親方の下で長年修行を積み、40歳でようやく独立を許されました。一般的に、建築業界では親方が引退するまで弟子が独立できないことが多いです。
関東近郊を中心に、雨漏り診断・修理から建築工事一式まで対応する会社を設立し、25年が経ちます。
ハチ駆除は、建築業の傍らで行っていましたが、一時ハチ駆除専門で活動しようとしたところ、他の業者から価格設定が安すぎるという強い批判を受けました。そのため、再び建築業に軸足を戻した時期もありました。
5年以上前からハチ駆除を本格的に行いたいという強い思いがありましたが、幸いなことに建築の仕事が多忙であったため、ハチ駆除に注力することができませんでした。それでもいつか必ずハチ駆除の専門家として活動したいという思いを抱き続けていました。
今年で66歳を迎えますが、今後は建築業の仕事を徐々に縮小し、ハチ駆除に注力していきたいと考えています。
ハチ駆除を始めたきっかけ
私がハチの駆除を始めたのは、ハチが本当に好きだからです。小さい頃からハチに興味があり、小学生の頃には土の中にいるクロスズメバチを捕まえていました。土の中にいるハチの子は食べると甘い味がして、とても美味しかったことを覚えています。
世間ではハチは怖いと思われがちですが、それはハチが防衛本能で刺すだけであって、おとなしく、人懐っこい性質でもあります。ペットボトルにハチを捕まえて持ち帰ったことがありますが、人の顔を認識出来ていて、餌をあげていれば刺さなくなりました。
また、ハチの顔をよく見るととても綺麗であることが分かります。特にオオスズメバチの顔は美しいです!
※苦手な方もいらっしゃると思うので画像は載せていません。ご興味のある方は調べてみて下さい。
独自のハチ駆除について
ハチ駆除の方法
私のハチ駆除は一般的な駆除業者とは異なります。それは、駆除の際に防護服を着用しないことです。10年以上前に購入した防護服は所有していますが、実際に着用したのは数えるほどです。これは、長年のハチとの関わりを通じて、ハチの生態や習性を熟知しているためです。
テレビなどでよく見られる、棒でハチの巣を突いて騒ぎ立てるような駆除方法には疑問を感じています。オスのハチは刺しませんし、過度に刺激しなければハチが容易に人を刺すことはありません。ミツバチに至っては、背中を優しく撫でても怒らない場合もあります。
具体的な方法としては、薬を使わず、生きたまま捕獲して遠隔地に逃がすことが多いです。昨年は月に70~80件依頼を受けていて、1回2回は刺されましたが、アナフィラキシーショックを起こしにくい体質でもあるので全く問題ありませんでした。
料金設定
料金は他の業者と比較して安価であることが多いです。例えば、直径10センチ程度の巣の場合、一般的な業者の相場は3万円から5万円程度ですが、私の場合は1万5千円程度で対応することがほとんどです。(ハチの種類や巣の場所によって料金に変動はあります)
大手サイトでの集客をしておらず、お客様から直接ご相談を受けているため、安く抑えられています。
また、蜂が好きなので、蜂の駆除だけでお金を稼ぎたいとは考えておらず、趣味も兼ねていることも理由の1つです。
スプレーでハチを駆除
落としたハチの巣
駆除した女王バチ
仕事で大切にしていること
私が仕事をする上で最も大切にしていることは、利益追求だけではなく、人々の役に立ちたいという気持ちです。困っている人がいれば、できる限りサポートしたいと考えています。料金についても、必要な経費を賄えれば十分だと考えており、過剰な利益を求めるつもりはありません。
また、お客様を欺いて不当な利益を得るような行為は決して行いません。長年携わってきた建築業でもお客様が納得しない工事で引き渡したことはありませんし、お客様との関わりにおいては個々の状況を真摯に受け止め、可能な限りの対応をしたいと考えています。
これからの展望
今後は、ハチ駆除の活動をより多くの方に知ってもらい、地域の方々に信頼される存在になりたいです。地元を歩いていたら、「ハチのおっちゃん、今度ハチが出たら来てよ」と声をかけられるくらいが1番の理想です。
また、青いハチ(ナミルリモンハナバチ)と出会うことが個人的な目標です。ハチに関わる仕事を10年以上していてもなかなか出会えないという話を聞くほど、日本ではほとんど見られない種類です。青いハチに出会えるまでは、ハチ駆除の仕事に情熱を持って取り組んでいきたいと考えています。
妻がご飯を作って、洗濯も全部やってくれているので、これからは仕事一筋ではなく、家族の時間も取りながら、のんびりと趣味も兼ねて「ハチちゃん遊ぼう」と声をかけるような感覚で楽しんでハチ駆除をしていきたいです。
インタビュー後記
約2時間に及ぶインタビューで小林さんの人柄を十分に感じることが出来ました。「ハチのおっちゃん」と呼ばれている光景が目に浮かぶ、明るく人たらしな方でした。ハチの駆除を始めたきっかけを尋ねた際に、「ハチが好きだから」という答えが返ってきた時には正直面喰いましたが、だからこそハチをむやみに刺激しない独特のやり方が生まれたのだと思います。ご本人は防護服も着ず、ハチが暴れまわることもないからテレビウケしないのだとこぼしていましたが、依頼する立場としては穏便に解決してくれる方がありがたいです。ハチ好きの小林さんを見ていてふと思ったのが、英語の「bee」にはハチ以外に「働き者」という意味がありますが、小林さんが若々しく働き者なところとマッチしていました。自分もこんな歳の重ね方をしたいなと感じました。
お問い合わせ
住所:東京都板橋区前野町6-47-10
TEL:080-7026-1230
Mail:kobayashi062212154879@gmail.com
公式LINE:https://lin.ee/o8hufAV
*ご相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。