
一般社団法人ウェブコンサルタント・ウェブアドバイザー協会(WebCA)
理事 大竹 優季子
出身地:東京都北区、愛知県岡崎市
趣味:お酒、旅行
駒込駅から徒歩5分ほどに位置するオフィスにお邪魔してきました。今回の取材対象は、若くして一般社団法人で理事を務める2児の母・大竹優季子さん。お酒が大好きで、毎晩ご主人と自宅で晩酌をされているそうです。物腰柔らかなお母さんの一面を持ちながらも、仕事のことになるとビジネスマンとしての顔に切り替わります。育児と仕事の両立、そのための女性の支援について、現在のお仕事とビジョンについて伺いました。
大竹さんについて
証券マンの父と専業主婦の母、1人の姉を持ち、次女として東京で生まれました。5歳までは東京にいましたが、父の転勤で愛知に引っ越しました。高校までずっと愛知にいましたが、大学から国際文化を学ぶため、浜松市にある静岡文化芸術大学に進学しました。
幼少期は空手やサッカーなど身体を動かすことが大好きでした
新卒から今の会社で働いており、入社3年目の10月に1人目の子が産まれましたが、育児だけではなく仕事も続けたいという思いがあり、3ヶ月で職場にフルタイムで復帰しました。それから1年半ほど働いて、昨年の11月に第2子が生まれました。今は0歳と2歳の2人の子供を育てながら、週4日6時間リモートワークを交えながら働いています。また、週の残り1日は自分の独立に向けた準備をしています。
子ども二人とのプライベート写真
今の会社に入社した経緯について
大学4年生の時、将来独立したいという思いが強く、必要なスキルを身につけるための環境を探していたところ、権成俊社長が出した本に出会いました。
「アマゾンにも負けない、本当に強い会社が続けていること。」
権 成俊(2015/1/23、翔泳社)
この本を読んで社長の価値観に共感し、会社のホームページを見ると「独立するためのスキルがこの会社に来たら得られる」と書かれていました。「自分が求めていたのはまさにこの会社だ」と思い、即座に求人しているかどうかを聞いたところ、ちょうどタイミングが良くインターンとして受け入れていただけました。ただ大学時代は静岡県に住んでいたので、卒業までの数か月間は新幹線で東京のオフィスまで通わせていただきました。そして、2019年4月に正社員として株式会社ゴンウェブイノベーションズに入社しました。
左:同社社長の権さん、右:パートナーの佐々木さん
業務の内容について
同社は中小企業の経営者向けに、ウェブに特化した経営のコンサルティングサービスを提供しています。具体的には、単なるウェブ活用ではなく、社長の権(ごん)が考案した「AB3Cフレームワーク」(※)を用いて、競合と差別化しつつ、顧客に選ばれるための戦略を立てることを目指しています。
SEOなどの手法的な改善ではなく、提供する価値から見直す根本的な改善を提案するのが特長です。
AB3C(エービースリーシー)フレームワークの図
また、顧客向けに行うコンサルティングサービスとは別に、同じように根本改善ができるコンサルタントの育成を行っています。これが、私が理事を務める一般社団法人ウェブコンサルタント・ウェブアドバイザー協会(WebCA)です。
ウェブコンサルタントが中小企業向けの経営全般をコンサルティングすることに対し、ウェブアドバイザーは地域の飲食店などより小規模のアドバイザーで、ホームページやSNSなどの活用を支援します。在宅ワークができキャリアにもつながる新しい仕事として、育児中や介護中の女性に提案し、育成しています。自身の出産・育児の経験を活かし、ウェブアドバイザーのロールモデルとなるべく、2022年10月に理事になりました。
ネットでモノを購入する時代なので、企業もネットを活用しなければいけませんが、すでにネット上には情報が沢山あるので、ただ発信するだけは効果が得られません。何を発信すればお客様に届くのかということを分析して、戦略的に発信をすることが必要とされています。
ネットの誕生、発展に伴い、大前研一さんが生み出した3Cを発展させたのが「AB3C」
ネットに詳しくない方や主婦の方からするとハードルが高く感じるかもしれませんが、大切なのはお客様とコミュニケーションを取れることで、女性ならではのコミュニケーション能力や察する力が発揮できるところだとも思います。経営者の方が日常業務で手が回らないところをくみ取って、SNSで発信していくノウハウは、研修を通して誰にでも身に付けていただけるようになっています。
ウェブアドバイザーとは、地域の飲食店や美容院などのネットを活用した集客・発信を支援する新しい仕事
※AB3Cフレームワーク
直感的に戦略を認識するための手法として権社長が考案した手法で、以下の英単語の頭文字をまとめて「AB3C」と呼んでいます。Customer(お客様)、Company(自社)、Conpetitor(競合)という3つの立場をベースに、自社が持つ競合へのAdvantage(優位性)とお客様に与えられるBenefit(便益)を掘り下げることで、どうすれば「選んでもらえるのか」を分析するのに役立ちます。
育児と仕事の両立について
1人目が生まれた時、私の場合はその子と2人でずっと一緒にいるよりは、働いている方が仕事が良い意味で息抜きになって精神的に楽でした。義母も同じような考え方だったので理解を得られ、子供のお守りを手伝って頂けたおかげで、出産後3ヶ月で復職することが出来ました。
ウェブアドバイザー普及のためにWebCAの理事にならないかと社長に提案して頂いた時、第2子のことを考えるとキャリアが途絶える可能性もありました。ですが、出産・育児という経験とゴンウェブで培ってきたAB3Cやウェブを実践してきた経験が社会の役に立つのなら、と思い、理事になることを決めました。
育児と仕事の両立を考えるようになったのは母の影響が大きいと思います。私の母は専業主婦でしたが、家事や育児だけでなく、地域のボランティア活動や社会とのつながりを求めて積極的に外に出て、社会に貢献したいという強い気持ちを持っていました。
その姿を見て育ったので、私も家族と社会の両方で活躍する姿を目指してきました。その結果、女性が育児や家事だけでなく、仕事でも自立し、社会とつながり続けるための支援が重要だと感じるようになりました。
これからのビジョンについて
特に育児中や在宅で働きたいと考えている女性の役に立ちたいと考えています。育児をしていると、24時間自分だけのために時間を使うことは難しく、限られた時間でどう仕事をするかが大切になります。だからこそ、ウェブを使って効率的に仕事ができるスキルを女性に伝えたいです。少しずつですが、AB3Cやウェブアドバイザーについてお話させていただく機会が増えてきているので、今後もっと広めてゆけたらと思っています。
特に地方ではまだ働く女性の選択肢が少ないと感じているので、そういった選択肢を広げることが私の目標です。地方における働き方の選択肢が限られている現状を変え、もっと自由な働き方ができるようにしていきたいです。
編集後記
大竹さんからはとてもエネルギッシュな印象を受けました。本を読んですぐに会社に連絡をするスピード感や、静岡から東京まで通い続ける行動力は本当に凄いです。「自分自身がロールモデルになりたい」という言葉通り、家庭では2児の母をしながら、仕事では独立に向けた準備を進められています。男女平等という耳障りのいい言葉が昨今蔓延していますが、社会がそれに追いついていない現状もあるのではないでしょうか。出産が女性のキャリアを途絶えさせているケースはまだまだありますし、育児をしながら在宅で働くためにはそれ相応の能力が求められます。社会が変わるのを待つのか、自分でスキルを身に付ける努力をするのか、どちらかが必要なのだと思います。大竹さんのお話に共感できることがあれば、大学生の頃の彼女のように、思い切って連絡してみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ
一般社団法人ウェブコンサルタント・ウェブアドバイザー協会
TEL:090-3012-3301
受付時間:平日 10:00~17:00
HP:https://www.webconsultant.or.jp/
*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。