区民ニュースがお届けする医療・健康コラム。

第一弾のテーマは妊娠・出産。今回は第二回(全三回)「無痛分娩」についてです。

今回の記事の内容は全て港区の東京都済生会中央病院に監修いただています。

お産にはさまざまな形がありますが、無痛分娩はその一つです。

自然出産時には非常に大きな痛みが伴いますが、麻酔の力を借りることで痛みを和らげ、母子ともに体への負担を軽減させる出産方法です。

無痛分娩は下半身の痛みだけを和らげる「硬膜外鎮痛法」を使用した「硬膜外無痛分娩」のことを指すのが一般的です。

日本ではまだ少数派です

アメリカでは出産時に「硬膜外無痛分娩」を採用する方が7割を超えるというデータがあります。

一方、日本でも採用率は増加しているといえど、まだ少数派の域を出ません。

その理由としては「麻酔」に対しての漠然とした恐怖や、メリット・デメリットが周知されていないことが上げられるかもしれません。

「硬膜外無痛分娩」について教えていただきました

今回のコラムを監修いただいている東京都済生会中央病院に「硬膜外無痛分娩」について教えていただきました。


「硬膜外無痛分娩」の流れを教えてください

無痛分娩とは出産時の陣痛を麻酔により和らげる方法を用いた分娩のことです。陣痛が来て入院された際に、麻酔科医が硬膜外麻酔用カテーテルを挿入しておき、薬の投与の準備をするという流れで行います。陣痛は赤ちゃんを産み出す力として必要な面もあるため、薬の投与はお産がある程度進んで痛みが強くなるころから開始します。薬の投与は産科医が行います。

自然分娩と比較した場合のメリット・デメリットを教えていただけますか?

無痛分娩のメリットは出産時の痛みを軽減するだけではなく、出産時の過度な緊張をとり、分娩の進行をスムーズにすること、痛みの軽減により出産後の体力の消耗を押さえることが上げられます。 デメリットとしては、麻酔を使用するため、合併症のリスクを伴います。 合併症としてよくある症状は、足の感覚が鈍くなり力が入りにくくなる、血圧が低くなり気分が悪くなる、尿意を感じにくくなる、かゆみや体温上昇が起こるなどです。


まずは担当医と相談してください

出産方法にはそれぞれ特徴があります。状況によってベストな選択は変わってきます。また医療機関によって対応できる方法にも違いがあります。

早い段階で分娩方法についての希望や質問を担当の医療機関に相談することが大事です。


今回は以下の病院に監修いただきました

東京都済生会中央病院

東京都港区三田1-4-17

https://www.saichu.jp/