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葬儀に参列時のマスクの色は「黒?白?」正しいマナーは?
(2年前の記事です) 掲載日:2022/10/17
コロナ禍の昨今、葬儀に参列する時のマスクは喪に服す意味でも黒色のマスクが常識ということを聞いたのですが本当ですか?
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

私がお答えします。
葬儀の場面にかかわらず、もうすっかりマスク着用が生活にはあたりまえの環境になっていますよね。コロナ感染症拡大防止の観点からしても致し方ないことです。
『感染させない、感染しない』自己防衛であります。
さて、葬儀の場面でも当然ながらマスク着用、手指消毒などの基本的な感染防止をお願いしております。今回はマスクについてのお話しです。
ご質問をいただいたように、某マナー講師のお話しや、葬儀の新マナーなどと題して、マスクの色について書かれている記事を多く目にします。
「葬儀への参列時はマスクの色は黒にすることがマナーである」黒は喪に服す色でもあるので、違和感はない説明にも感じますよね。
問題は“マナー”としている点です。実際はどうなのでしょうか?
マスクがファッションの一部のように色や柄、デザインが豊富に出回ったのはつい最近のことです。
コロナ禍と相重なりマスクが必須となった今、さらにそのデザインや材質が数多く流通し、簡単に手に入るようにもなってきていますよね。
マスクと言えば「白」が基本でありました。と言いますより、ほとんど白の一択でしかなかったようにも思います。
それが、黒のマスクが普及してきたからといって、葬儀の際のマスクは黒でなければいけないのでしょうか。であれば、コロナとは無関係であった数年前以前で風邪予防で白色のマスクを付けて葬儀に参列はマナー違反だったのでは?というお話しにもなってしまいます。
ここまでお話しするともう、結論がわかってしまったとも思いますが、葬儀への参列は黒マスク着用が正しい葬儀のマナーといったことはありません。
もちろん、黒はダメということもありません。白でも黒でもOKです。
黒が喪に服す色として日本に入ってきたのは明治に入ってからです。西洋からの文化です。それまでは喪に服す色は実は「白」でした。
仏式での葬儀は故人様は白装束に召して旅立ちます。白の喪服で参列する地域もあるくらいです。
それが現代になって、しかも多種多彩のマスクの流通があるからといって、マスクは黒でなければ葬儀ではマナー違反ということに合致はしません。
無論、葬儀は厳粛な場であります。白や黒、モノトーン色を選ぶことが望ましいです。不織布、布、ウレタン、材質はどれもマナー違反ではありません。常識の範疇として、派手な柄や奇妙な形状を避けることの意識が大切になるかと思います。
葬儀だから黒のマスクという概念よりも、このコロナ禍でも感染対策を万全にして最後のお別れに参列していただけたらと思います。
葬儀は非日常的なことですから、知らないことが多すぎて当然です。それを解決してくれるのが葬儀屋さんの役割でもありますので、遠慮なく何でも聞いてくださいね。
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