まちの仕事人インタビュー
心のない流れ作業の様な仕事はしたくないんだよね
株式会社 大東葬祭 代表取締役 出木谷 俊幸 (できや としゆき) さん インタビュー


株式会社大東葬祭

代表取締役  出木谷俊幸(できやとしゆき)さん

昭和31年生まれ、川崎市中原区出身  刈宿小学校~住吉中学校~向の岡工業高校卒。

高校卒業後、27歳まで銀座のクラブのボーイやスナック経営、生花業販売などを経て33歳で株式会社大東葬祭、大東仏具を設立。現在に至る。趣味はゴルフ。


目配せ・気配りを覚えた銀座クラブのボーイ時代

この業界に入った経緯を教えてください

高校卒業して27歳まで銀座のクラブの黒服(ボーイ)をやってました。その頃お客様が何を求めているのか、ホステスさんがどうして欲しいのか、目配せ・気配りを徹底的に教育されました。今でも「水商売で優秀な人は絶対葬儀業界に向いてる」とよく話します。


それから地元に戻ってスナックを3年くらいやった後、30歳で大手生花会社に就職した。これが半端なくきつくてね。今じゃ考えられないような労働時間(笑)、労働基準法なんてあってないようなブラック企業。だけどあの時、葬儀という仕事を叩き込まれたんです。この生花業での3年間で、徹底的に葬儀のノウハウを身につけて独立したので、葬儀社では修行したことないんです。

どんなご依頼者が多いですか?

ウチはとにかく地元密着。私自身生まれ育った街だからね。実は2年前までこのあたりのオズモール商店会の副理事をやってた関係で、道行く人に知り合いが多いの。隣で仏具も販売してるからお線香やロウソクを買ってく人もいる。30年以上この地で葬儀屋を営んでるから、今ではこの商店会の最古参になっちゃったよ(笑)


余談だけど、インターネットで葬儀社を決めるというのはいまだに違和感を感じるね。そういうのが全く苦手だから言うわけじゃないけど、葬儀って大切なイベントじゃない?親の最期とお見送りするんだよ。心を込めてやるものだと思うから、パック商品化した今の葬儀のあり方には疑問を感じる。インターネットでみかける「●さなお葬式」とか「●りそうお葬式」がやってるような金額でできっこないもん。だからみんな泣いてるよ。


ましてやウチらのような地元の葬儀社叩いて金額を一律化させ、その上高額な紹介料を請求する。ウチはこういう連中とは一切付き合わないし、付き合いたくない。心のない流れ作業みたいな仕事はしたくないんだよね。

「母にみっともない思いをさせたくない」

お店の前にて

社長が施行された記憶に残るお葬式とは?

私が施行したんじゃなくて、花屋に勤めてた時なんだけどね。流石に誰の葬儀とは言えないけど昭和の最後に参列者5万人っていう葬儀をやったことがあってね。あれは強烈だった。こんな世界があるのかって感じ。もう映画の世界ですよ。前にも後にもあの葬儀以上のものは見たことがない。花代だけで億越えだったらしいからね。今じゃ考えられない話ですよ。あと某大企業の社葬も凄かったなあ。都内某有名寺で行われたあの時も参列者2万人以上だったなあ。まあそんな昔話をしてもしょうがないね(笑)


つい最近の話なんだけど、友人のお母さんの葬儀をお手伝いさせてもらってね。友人は二人兄弟で兄貴がいたんだけど、兄貴が言うには、お母さんは生前「参列者3人しかいないし火葬式(読経もお通夜もない遺体を焼くだけのお葬式)で十分」って言ってたらしいの。だから亡くなった次の日、私からも火葬式を提案したんだよね。

そうしたらその兄弟が「こうやって何不自由なく育ててくれた母にみっともない思いをさせたくない。菩提寺に連絡して欲しい」と言ってきて、住職と打ち合わせして本堂で一日葬(お坊さんが読経する)をやりました。参列者三人で。今じゃなかなかない光景だけど、やはり最後はしっかりとお見送りをしたいというご兄弟のあの姿。ああいう亡き親を想う姿ってのはこちらもグッときたね。

ご依頼者から言われて嬉しかった一言はありますか?

ウチは地域密着だから地元の人がほとんど。だから近くの関東労災病院や井田病院に深夜2時3時でもお迎えに行きます。私のモットーとして遺体搬送屋さんといっしょに、必ず私自身がお迎えに上がってます。こんなことすら業界では当たり前じゃなくてね。遺体搬送は外注で、営業・葬儀施行・集金、全部担当が別なんて会社もあるんですよ。そんなの誰に何を任せたのか分からないでしょ。


ウチはわたし一人でやっている会社だからこそ、全て私が一から十までお世話したいんです。だから葬儀終わって必ず言われる「出木谷さんありがとう」って。これが嬉しいよ。


新たに取り組んでいる事はありますか?

こういうご時世だから仕方ないと思うんだけど墓じまいかな。仏具店構えているからそういうご相談が増えたね。菩提寺の住職には直接言いにくいっていうのも時代の流れ。そういう意味でだんだん葬儀のあり方も変わってきたね。

最後に出木谷社長はこのお仕事好きですか?

65歳になって体もきついけどやはりこの仕事は好きだね。30年前は自分の仕事が葬儀屋だと言うのにためらいがあったのも事実。だけど今は誇りを持ってやってます。だって必ず感謝されるもん。必ず感謝される仕事って、なかなかないと思うな。

インタビュー後記

高校卒業して飛び込んだ銀座のクラブの黒服という世界。バブル前の昭和の銀座で身につけた接客術・気配り術は、葬儀業界でも大いに役立ったとのこと。水商売から生花業に入り、ブラック労働にもめげす無我夢中で働きながら葬儀を勉強できたことも、後の人生に大きな影響を与えたと出木谷社長は語りました。


安さだけをウリにしたネットの手抜き葬儀の横行、大切なことまで外注するようになった業界の変節、当たり前の葬儀が当たり前にできない葬儀社、葬儀業界の未来は本当にこれでよいのか?という危惧が言葉の節々ににじみ出ていました。


「人とのご縁を大切にしてきたからこそ、30年以上もこの地で続けてこられた」最後に頂いたこの言葉こそ、出木谷社長の人柄そのものかもしれません。東急東横線「元住吉」駅近くにお住まいでお葬儀をお考えの方はご相談下さい。


株式会社 大東葬祭(だいとうそうさい)

川崎市中原区木月住吉町7-36

お電話:0120-330-970(24時間365日対応)

お電話相談の際、『区民ニュース』の出木谷さんの記事を読みました。とお伝え下さい。

対応エリア:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県