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借地権の売却について
(1年前の記事です) 掲載日:2023/07/09
川崎市幸区の借地の一戸建て(持家)に住んでます。
現在借地権を売却し、売却資金を持って田舎に引っ越ししようと思ってます。
地主さんが我が家(古家でほとんど価値はないと思います)を買い取りますと言ってくれたら地主さんに売却するしかないのでしょうか?
勝手に売却することは出来ないでしょうが、地主さんより高く買ってくれるところがあればそちらに売却したいと思っていますが、それは可能なのでしょうか?
勿論祖父の代からの借地なので義理立てはしたいのですが、無い袖は振れないので、少しでも高く売りたいというのが本音です。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

借地権が賃借権であれば、これを第三者に譲渡するには地主の承諾が必要になります(民法612条)。
逆に言えば、地主の承諾があれば、第三者に譲渡できることになります。
ただ、地主が承諾する場合でも、多くのケースでは借地人は地主に承諾料を支払うことが通常です。
承諾料の相場は一概には言えませんが、東京23区とその周辺では借地権価格の10パーセント程度とも言われています(あくまでの目安ですが、、、例えば更地価格3000万円の土地で借地権割合60パーセントであれば借地権価格が2400万円でその10パーセントは240万円)。
ですので、第三者に売却する際は、地主が承諾する場合でも、このような承諾料、その他経費(例えば不動産業者に支払う仲介手数料等)を考慮して、地主が買い取ってくれる場合(無論地主の価格提示に借地権分も含まれる場合ですが)と比較して、単純に第三者に売却する方が高いとうだけでは決められないでしょう。
ちなみに、地主が借地権の第三者への譲渡を承諾しない場合は、裁判所に地主の承諾に代わる許可を申立てるとう方法があります(借地借家法19条、旧借地法9条の2)。当該許可がされれば、譲渡できることになりますが、その場合でも裁判所が決めた承諾料を地主に支払う必要がある場合が多いでしょう。
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