1996年渡仏。ノルマンディのパティスリーで働き始めて少し慣れて来た頃。月1回のパリ詣が何よりの楽しみ。片手に大森由紀子さんが書いた「パリのお菓子屋さんガイド」を携えてのパティスリー巡り。そんな時に出会ったのが16区に在るパティスリー「ブール・エ・カカオ」のランゴ。日本でチョコレートの焼き菓子と言えばクラシックショコラが主流派の時代。当時の感覚で表現すると「ランゴ」は濃厚なクラシックショコラ。作り方はわからないけど常温で売っていたので多少の小麦粉は入っていたと思う。
フランスとスイスでの修行を終えて丸の内でシェフとして働き始めて先ず取り組んだのが「ランゴ」を自分流にどう作るか。イメージしたのはフォワグラのテリーヌ。濃厚だけど口溶けが良く舌の上で溶けていくイメージ。作り方もフォワグラのテリーヌ同様に湯煎焼き。そうなると小麦粉はない方が良い。何回かの試作で美味しく出来ました!
もちろん名前は「テリーヌ ドゥ ショコラ」
出来たのは2001年。
何の捻りも無い名前なので誰でも考え付きそうですし、この作り方も私より先に作っている人もいるでしょう。元祖と言うつもりは無いですが、私のお店で売っているテリーヌ・ドゥ・ショコラには私の愛着が詰まっています。

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61 いいね! ('24/10/25 00:01 時点)