まちの仕事人インタビュー
愛情と命の尊さを映像に残す
ジンテーゼ合同会社 代表 陣内 裕大 (じんのうち ゆうだい) さん インタビュー

1987年生まれ。東京都杉並区出身。場面緘黙症(家族以外とは、声を出して話すことができない状態)が原因で、幼稚園、小学校と不登校の期間が多くなる。父と行った野球観戦で、イチロー選手を目にし、背も低く、細身な体型にも関わらず活躍する姿に感動。後に、それが尋常でない努力の賜物と知り、“自分の力で人生を変える”ことを決意。諦めずに努力を重ねた結果、成人までに病気を克服する。会社員を経験した後、過去の自分のように「人生を変えたい」と苦しんでいる人を支えるため、心理カウンセラーとして独立。2022年より『LAST GIFT』のサービスを開始。趣味は皿洗い。

愛と命の尊さを、世代を超えて伝える

「LAST GIFT」をはじめられたきっかけを教えてください。

「LAST GIFT」は、死後に、大切な人へ向けた感謝や愛情を伝える、メッセージ動画を届けるサービスです。結婚6年目のある日、深夜に電車に乗っていて、ふと「今、死んだら人生で後悔することは無いかな?」と考えたときに、「妻に“ありがとう”や“愛してる”という言葉をもっとかけてあげればよかった」という想いが湧いたことが、このサービスを始めるきっかけです。結婚してしばらく経つと、何かやってくれるのが当たり前になり、感謝の気持ちを伝えることを忘れがちです。また、一緒にいるのも当たり前になり、愛情の気持ちを伝えることが照れくさくなるなど、言葉に出せていない人は、多いのでは?と考えました。また、普段行っている心理カウンセラーの仕事では、「親の愛情不足」や「愛情に気づかず、受け取れていない」ことが原因で、自己肯定感が低くなってしまった人からの相談が後を絶えません。カウンセリングをしている中で、その人の両親だけでなく、祖父母についても振り返り、「あの両親と祖父母から生まれてきたのだから、自分にも色々なことが出来るはずだ!」と、自信を取り戻すクライアントも多いとのこと。動画を残しておくことで、何世代にも渡り「愛の尊さ、命の尊さ」を伝えていく事ができるサービスだと考えています。

この動画の特徴はどのような点にありますか?

動画は、大きく『自分史』と『ラストメッセージ』の2つのパートで構成されています。前半の自分史では、人生で大切にしてきたこと、奥さまとの出逢いや、仕事でもやりがいやご活躍、お子さまに対して感じていたこと、趣味の活動など、インタビュアーの質問にお答えいただき、自然に語られる姿を撮影させていただきます。また、思い出の場所を巡りながら、思い出話をしていただくシーンの撮影も行います。後半のラストメッセージでは、ご家族など大切な人へ伝える最後のメッセージを撮影させていただきます。この動画は、いわゆる遺言のように死ぬから残すというものではありません。これからもあなたの愛情や想いが、世代を超えて生き続けるために残していただきたいものなのです。

本当に伝えたい言葉を引き出す

どんなお客さまからのご相談が多いですか?

70代以上で、遺言を書くタイミングでのご依頼が多いですが、最近では40代の経営者や個人事業主の方から、両親や祖父母の考えや姿を、自分の子どもや孫に残したいと考え、ご依頼いただくことも増えています。普段口下手な人も、不器用で自分の思いを言葉に出しにくいと考えている人も、インタビュアーが話しやすいように質問することで、自分の言葉でしっかり話してくれます。そして、後半のメッセージでは、子どもや孫が、これからも胸を張って生きていけるよう、自分の気持ち残したいという強い想いを出していただけます。ちなみに、国の調査によると、日本人は年齢を重ねるに連れ、幸福度が下がる傾向にあるようです。これは、アメリカ人が、年齢を重ねるに連れ、幸福度をぐんぐん上げていく傾向にあることと、真逆であり、非常に残念な現実です。しかし、『LAST GIFT』を撮影されたお客さまからは、「自分の生きた証ができた」「自分の気持ちを残すことができて満足」と、改めて、これまでの人生を振り返り、大きな幸せを感じていただいています。

仕事をするうえで心掛けていることを教えてください。

心理カウンセラーの仕事をする時と共通するのですが、「本来の自分の価値に気づき、(お客さま)一人ではたどり着かなかった(起きなかった)未来を作る」ことです。日本人は総じて自己肯定感が高いとは言いにくく、「自分が嫌い」「自分の人生は後悔が絶えない」といった自己肯定感が低い人が沢山います。これまでの人生を振り返り、棚卸しする中では、色々と文句や、愚痴、言い訳が出てくるかもしれません。それでも、人生の最期に一言だけ、言葉を遺せるとしたら、「ありがとう」か「愛してる」のどちらかになるのではないでしょうか。もちろん、こちらから誘導して言わせるようなことはしませんが、その人が本当に伝えたい言葉が何なのか、撮影を通じて引き出したいと考えています。他にも、生まれてきた子どもに、親の愛をサプライズとして届ける『FIRST GIFT』という動画サービスをご用意しています。また今後は、定年退職された親に向けて、それまでの人生の棚卸しと、家族のために働き続けてくれた感謝の気持ちをサプライズとして届ける『LIFE GIFT』という動画サービスも始める予定です。これからも、みなさんの「愛」と「命の尊さ」を映像で残していきます!

インタビュー後記

「当然の話ですが、人が生まれるためには、2人の親が必要で、2人の親が産まれるためには、4人の親が必要となる。こうして繋がってきた命の尊さを、改めて認識するだけで、自分が生きていることの価値を、強く意識することができるものですよ」と、心理カウンセラーとしての考えを聞いた。「LAST GIFT」は、自分の考えや想いを、子どもや孫に伝えるというだけでなく、もっと大きな意味を持っている。これは、決して出逢う事のない後の世代に、命の尊さを伝えるタイムカプセルだ。

お問い合わせ

ジンテーゼ合同会社

神奈川県茅ヶ崎市新栄町13-48 ワラシナビル5F

050-3743-7332

y.jin@jinthese.com

代表  陣内  裕大

【LAST GIFT】:https://www.lastgift.jinthese.com/

【FIRST GIFT】:https://firstgift.jinthese.com/

*ご相談の際は、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝えください。