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一粒万倍(いちりゅうまんばい)とは、

一粒の籾が万倍にも実る稲穂になる

という意味。

何事を始めるにも良い日ともされ、

仕事始め、開店、出店、お金を出すことに

吉であるとされる。

一粒のヒントやアイデアが

あなたの運を万倍にする。

ビジネス評論家石塚 毅の

ビジネス系開運コラム。

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今週はヤマダ電器傘下になり業績を

回復させて既に忘れ去られた感がある

大塚家具について検証してみたい。

 

2015年に2代目社長(大塚久美子氏)が

就任してから、社長在任期間でなんと

約230億円の純損失(!)を計上。

 

ここまで業績を悪化させた最大の原因は、

お家騒動によるイメージ低下ではなく

会員制サービスを辞めたことでもない。

最大の失敗要因は経営の優先順位を

まちがえたから、だそうです。

 

具体的には売上を伸ばすことよりも

店舗の賃借料や宣伝広告費などの

「コストカット」を優先させたこと。

 

特に集客することには、まったく無関心。

宣伝広告費なんてムダ金、と大幅にカット。

「入りやすい店づくりをすれば宣伝なんか

しなくてもお客さんは勝手に集まるでしょ。」

 

経営数字で見るとこれは明らかで、

創業社長追放前の

2014年12月期、

大塚家具は販管費全体の12・4%にあたる

38億3300万円の広告宣伝費を投入。

しかし翌年の

2015年12月期には

27億9500万円と約3割カット。

その後も広告宣伝費をカットし続け、

2017年12月期には

19億5300万円まで半減させました。

 

その結果、売上は

2014年12月期555億円

2016年12月期463億円

2017年12月期410億円

と下落の一途に。

 

会社業績は

2016年には45億9700万円の赤字

2017年には51億3600万円の赤字

 

一時は無借金で現預金110億円を保有して

いた超優良企業が、最後はヤマダ電機に

身売りしたことはみなさんご承知の通り。

 

お客様をどう集客するか、

大塚家具のファンをいかにして増やすか

自分で出来なければ、潤沢な資金を活用

してプロにお願いすれば良かったのに。

この失敗事例はよく記憶しておくべきですね。

ビジネス・商売で何が一番大事なのか?という

ことを物語っています。

(了)

 


石塚 毅(いしづか たけし)

1970年生まれ。ビジネス評論家。担当実績7,000社、相談実績15,000人に

裏付けされた企業経営・ビジネスモデル・社風・人材の情報通で博覧強記。

話がおもしろい!と評判。

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ishizuka@keiei-c.jp