まちの仕事人インタビュー
人と人を繋ぎ 大きなものを作る
SPHAERA株式会社 代表取締役 宮崎 聖 (みやざき きよし) さん インタビュー

1988年生まれ。両親の仕事関係により中国上海で幼少期を過ごし、上海の国立大学に進学。上海博報堂でのインターンを経験の後、現地の広告会社へ入社。国籍に伴う労働条件により、新卒では長く就労できないことが分かり、早期退職。上海・マレーシアで働いた後、日本に帰国。イベント業に関わった際の個人事業主の経験と、営業会社・人材会社での社会人の経験を経て、2019年「SPHAERA株式会社」を設立。東京オリンピック・パラリンピックや、PCR検査など公的な大規模イベントにも関わる。趣味は、カラオケとサウナ。

人生経験のすべてが事業に

この仕事を始められたきっかけを教えてください。

現在、『イベント企画・運営』『キャリアマネジメント』『翻訳・通訳サービス』の、3つの事業を展開しています。これらの仕事のきっかけは・・・これまでの人生経験のすべてですね(笑)。私は、日本料理店のオーナーを務めていた日本人の父を持ち、上海で産まれました。小学3年生の時に、父の地元である静岡県浜松市へ引っ越したのですが、3年後に父が咽頭がんで亡くなったことで、母の生まれた上海へ戻りました。そこから大学まで上海で過ごすこととなり、その間に身に着けた中国語と英語が、現在の『翻訳・通訳サービス』に活かされています。イベント業に興味を持ったのは、“上海万博”の日本館スタッフとして働いたとき。「大変だけど、楽しかった!!」という心地良い達成感を持ったことを覚えています。そのまま上海でイベントに関わる仕事をしたかったのですが、法律の関係で新卒は長く雇用できないことが分かり、帰国を決意。タイミングを同じくして、東京での“オリンピック”開催が決定したことで、「オリンピックに携わりたい!」と目標が一つ増えました。帰国前後では、“上海万博”でお世話になった方に連絡を取り、イベント関係者を沢山紹介してもらいました。中でもNさんは、「お前が本気で日本に帰ってきて勝負するなら、俺も実家を出て色々と教えてやる!」「都内でルームシェアをして、一緒に働こう!」と言っていただき、私の活動を力強く後押ししてくれました。上海万博で私が働く姿を見て、“行動力があり、真剣に丁寧な仕事をしている”ところを気に入っていただけたそうです。仕事に慣れた後は、イベント業に関わる個人事業主として、色々な業者と業務委託で仕事を進めるようになり、これが『イベント企画・運営』事業に繋がっています。「30歳までに起業する」と考えていたこともあり、経営者になるための準備として、自らを売り込むための営業スキルを身に着けたいと考え、まずは営業会社に入社。社内での成績No.1を獲得したことで、達成感とノウハウを得て退社しました。次に、マネジメントや人材教育に関する知識やスキルを身に着けたいと考え、人材派遣会社へ入社。個人事業主として、アルバイトを雇っていた頃、一般企業が経歴や経験値を重視するあまり、一生懸命なのに採用されない人たちを何人も見ており、そんな人たちを輝かせたいと考えるようになりました。ここでは、現在の『キャリアマネジメント』事業に必要な知識と経験を得たことで、満を持して『SPHAERA株式会社』を立ち上げました。

仕事の特徴はどのような点にありますか?

3つの事業を持っていることで、他社にはない「サポート体制」と「教育体制」を持っていることが特徴です。『キャリアマネジメント』事業では、正社員・アルバイトに関係なく、無料のキャリアカウンセリングを行っています。正社員の方には、私の“面接代行”や“採用代行”の経験を生かしたアドバイスを、アルバイトの方には、私の“業務委託”時代の経験を元に、契約のアドバイスや、一般的な確定申告などの税に関する情報を提供しています。また、『翻訳・通訳サービス』事業を行っていることから、キヤリアの相談にいらっしゃった方のうち、希望者を対象に“中国語会話”と“英会話”を無料で教えています。『イベント企画・運営』事業では、企業セミナー・野外フェス・展示会などで、自身を含め“英語”や“中国語”といった外国の言語対応ができる運営スタッフを抱えていることから、目標の一つだった“東京オリンピック・パラリンピック”を始め、国際的なイベントにも多数関わっています。


一生懸命の人を輝かせる

どんなお客さまからのご相談が多いですか?

『キャリアマネジメント』事業については、20代~30代を中心に、4割が正社員、6割が、アルバイトに関するご相談になっています。アルバイトの紹介先には、『イベント企画・運営』事業の方で、私がディレクターとして関わっている国際的なイベント案件もあり、活躍していただく機会は多いですね。『イベント企画・運営』事業については、大型イベントだけでなく、地方の小規模イベントや、スポーツ大会など、ご相談は多岐に渡っています。やはり、言語対応できるスタッフをコントロールできるディレクターは少ないらしく、ご紹介がご紹介を呼び、ありがたいことに相談が絶えません。これまでの人生で、縁のなかったイベントにお声がけいただくたびに、ワクワクしながら仕事をしています!

仕事をするうえで心がけていることはありますか?

「一生懸命の人を輝かせる」ことです。イベント業に関わっていた頃、上からの命令は絶対で、下請けとなっている立場は、非常に弱いという現実がありました。上から言われたとおりにしていると、現場に苦しみと負荷が積み重なることが少なくなく、仕事を辞めてしまう人をたくさん見てきました。希望を持って働きに来てくれた人を、絶望させて返してはいけないと考え、働く人を最優先に考えることにしています。少しでも「労働力や時間の対価として報酬を支払っている」という意識を持ってもらうようにお伝えしています。雇い主と働き手との間で、“上下関係”ではなく、“役割関係”を持てるようになることが一つのゴールです。私は、人の成長を見守ることが大好きなんですよね。常に人と絡んでいたい。社名の『SPHAERA(スパイラ)』は「球体」という意味ですが、人という「点」が、繋がることで「線」、広がることで「面」、最終的にすべてが繋がり「球」になるイメージから社名に使いました。人と人を繋ぎ、より多くの人が活躍できる機会を、世界レベルの規模で作り上げていきたいと考えています!


インタビュー後記

全身からみなぎる活力。人を繋げる力と、スピード感。人生経験のすべてを事業に注ぎ込み、1つずつ夢を叶えながら前進する宮崎さん。数々のピンチや窮地を、自分への試練を考え、力強く乗り越えていくその姿は、キヤリアアドバイスを受ける人たちの希望になるだろう。少しでもキャリアに迷いや不安を抱えているなら、宮崎さんに相談することをおススメする。

お問い合わせ

名称:SPHAERA株式会社

連絡先:070-2685-2444

Mail:k.miyazaki@sphaera.co.jp

*ご相談の際は、『中央区民ニュース』の記事を読みました。とお伝えください。