=====================================

一粒万倍(いちりゅうまんばい)とは、

一粒の籾が万倍にも実る稲穂になる

という意味。

何事を始めるにも良い日ともされ、

仕事始め、開店、出店、お金を出すことに

吉であるとされる。

一粒のヒントやアイデアが

あなたの運を万倍にする。

ビジネス評論家石塚 毅の

ビジネス系開運コラム。

=====================================


先週金曜日(9/29)の中秋の

名月は本当に見事でしたね。

日没も早くなり、猛暑も終わり。

いよいよ秋の到来ですね。


10月のブックレビュー

『店は客のためにあり  店員とともに栄え

店主とともに滅びる』


今月のブックレビューは、ファーストリテイリング

会長兼CEOの柳井正氏の解説付で

倉本長治の商人学をまとめた本です。


倉本長治さんは廃刊となった雑誌

「商業界」の最後の編集長です。

リクルート時代に小売・外食・サービス

業界を長く担当していたので

『商業界』

はちょくちょく目を通していました。

懐かしいなーと思って手にしたのですが、

いま流行りのIT・ベンチャー系の「浅い」

経営思想(思想といえるほど深さはない

ですが)を斬り、真の商売とは何か、

経営とは何かを説いた内容で、読みながら

背筋が伸びる本でした。


この本は、以前刊行された『倉本長治著作

選集』(全12巻)をベースに、倉本氏が

評価した商品たちの思想、著者自身の取材

体験などを弟子筋に当たる笹井氏がわかり

やすくまとめ上げている本で、珠玉の一節が

詰まっている本です。


商売人の模範ともいえるレジェンド商人

たちの言葉が本当に美しく、力強い。

何のために商売をするのか。

商いはどうあるべきか。

商人はどう生きればいいのか。

値付けとは。

仕入れとは。

などなどとても大事なことをこの本は

教えてくれています。


特に注目した下りは、

「みんな儲かりそうだからとITやインタ

ーネットのほうへばかりに目を向けて、

上場させるとすぐに経営権をファンド

に売ってしまう。私はそういう経営者

はダメだと思います。最近の起業家は、

在庫をできるだけ持たない商売を探し

ていると聞きますが、そんなの儲かる

わけがないでしょう。そもそも、儲け

ようとしたら絶対に儲かりません。誰

も人を儲けさせようと思って、応援し

てくれる人などいません」(柳井正氏)


「商売は損得の勘定より  善悪の峻別

のほうが大切だ  採算よりも善悪を

第一に考えるのが根本である」


「愛をもって商えば、真実をもって売る

ことができます」


「お客様が一切れの塩鮭を見ていると

き、本当は懐の財布の中を見ているん

だよ」(ヨークベニマル創業者・大高善雄)


「無理に売るな、客の好むものも売る

な、客の為になるものを売れ」(松下

幸之助「商売戦術三十カ条」の一つ)


「仕入れるときに  威張って買うから

売るときに  頭を下げなければならない」


「従業員とは  店を裏側まで知ってい

る  もっとも大切な  お客様のことで

ある」


「本当の店とは  商品が儲けるところ

ではない  お客様に  得してもらうと

ころと見極めよう」


自分自身、9月に新しい商品をスタート

したばかりなので、本当にこの本は刺さり

ました。

しばらく石塚がカバンに入れて持って歩く

本になりそうです。


『店は客のためにあり  店員とともに栄え

店主とともに滅びる』

笹井清範著  プレジデント社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833424649/businessbookm-22/ref=nosim

 

(了)



石塚 毅(いしづか たけし)

1970年生まれ。ビジネス評論家。担当実績7,000社、相談実績15,000人に

裏付けされた企業経営・ビジネスモデル・社風・人材の情報通で博覧強記。

話がおもしろい!と評判。

ご質問・ご相談などはこちらまで。

ishizuka@keiei-c.jp