静岡放送アナウンサーや美容サロンオーナーからM&Aを経験し、保育園の社長に就任。
まずは有沙さんのこれまでの歩みを教えて下さい。
私は新卒から静岡放送でアナウンサーとして勤め、2022年1月に独立しました。
きっかけは、女性の経済的、精神的な自立を応援していきたいと思ったからです。
言葉で言うのは簡単ですが、上辺だけの綺麗ごとではなく本気で考えたきっかけは、親友の離婚でした。
旦那さんの問題が発覚した時に、両家話し合いを繰り返したものの、残された選択肢は息子さんと実家に帰ってシングルマザーとして生きていく道だけ、財産も健康も全てを失っていました。
そんな親友の窮地に私が出来たことは、話を聞いて慰めの言葉をかけることだけでした。
アナウンサーって比較的人脈に恵まれていて、普段出会えない人と一緒に仕事をして、高給取りで、自身のポジションがあって、凄く良い立ち位置に思われているけれど、その親友の再就職先や生活を作ることも、必要な人脈を渡すことも、資産を分け与えることも出来ない。
その時にとてつもなく自分の無力さを感じました。身近な人の課題解決に1つも携われないって思ったら悔しくて、雇われの立場のままではダメだと思いました。
自分が女性の為に本気になりたい、女性の雇用を生む側にならなきゃいけないと思い、独立を決意しました。
個人事業主で仕事をする中で夫の転勤に伴って東京に拠点を移し、今の保育園事業を引き継いだ株式会社グッぱくと代表の吉田に出会います。
一方ゆめの木保育園を所有する株式会社FIVE•Tは、2016年から保育園を作り大きくなっていった会社でしたが、財政状況の悪化が深刻でした。
経営存続と立て直しのため、コンサルティングを得意とする吉田は学生時代の恩師であった辻井前代表から保育園を譲り受け、そこで私が保育園の新代表のお話をいただきました。
率直にどう思いましたか？
今までやってきた仕事とは畑違いで、M&A自体経験するのも初めてで。
そもそも保育園で働いている職員や通っているお子さん、親御さんの気持ちを考えると、しっかりと経営母体があった組織の経営陣だけが変わって、日々の運営は今まで通り続いていくというのは戸惑うだろうと思いました。
さらに新代表が20代の小娘で、特に保育業界や教育業界に精通してる訳でも無いというのは、まず刺激を生むんだろうなと不安でした。
代表になることを決意したのはどういう気持ちだったのですか？
全くやったことのないことでしたが、だからと言ってやってはいけないということはないし、覚悟と勇気だけだと思いました。
業界や職種で考えるのではなく、ゼロからチャレンジして、女性を本気で幸せにしていくことにコミットした人生の実績の1つにすると心に決めました。
最初に取り組んだことは？
どうやって先生方と信頼関係を築いていくか、とても慎重に考えました。
4月に新体制に変わるという1つの節目に向かって、2月頃から園長先生と共に全体計画を立て、現場とコミュニケーションを取り、擦り合わせを丁寧に行いました。
"新体制に任せて大丈夫なんだ、確実に今より良くなっていくんだ"と期待して安心してもらう為に100日マップも作成し、行動目標を1つずつクリアしていきました。
保育園の特徴は？
食育に力を入れていて、ご飯給食を実施しています。卵•乳製品を使わずに日本人の舌に合った給食です。
濃い味付けに慣れないように素材の味を活かした和食の中で、子供たちの健康寿命をのばす、非常に人気があるポイントです。
今力を入れていることは？
女性の幸せを本気で考えることです。
職員1人1人が自分のキャリアアップや人生のロードマップを考えるときに、この会社は本気で向き合ってくれる会社なんだって思ってもらいたい。
だからこそ本部と現場の垣根をなくす為、なるべく現場に行くようにしてます。
社長の仕事としてはどんなことをしているのですか？
自分にとっては社長業＝コミュニケーション業だと考えています。
朝はまず園長先生から業務予定が届いて、コミュニケーションを取ることから始まります。
一方で本部全体としては財務状況や入園率の数字と向き合う。
問題が起きた場合はその都度連絡を受けて対応し、アフターケアの確認まで日々細かくやり取りをしています。
少しでも連絡が取りづらいと思われてはあっという間に信頼関係が崩れていくと思うので、とにかく私は園長先生の1番の応援者、理解者になろうと心掛けています。
保護者からの反応は？
2023年4月に千葉3園の保護者を対象にアンケートを実施しました。
「ゆめの木保育園に通わせて良かったと思うか」の質問で、そう思うという回答が100%でした！毎日先生方がもの凄く頑張っていて、保育の質にも安心していただけている結果だと感じますし、誇りに思います。
今後の展望や目標はありますか？
より良い園にしていく為、カリキュラムに英語や体操を取り入れたり、褒める教育等エビデンスのあるメソッドを取り入れたりと様々な取り組みに挑戦予定です。
保育目標に掲げている「5つのこころを育てましょう」に忠実に、この園に通ったら子どもの心が成長するよねと親御さんに実感してもらったり、先生同士も凄く良い言葉がけをしてくれたりが自然に行われることを強化していきたいです。
その結果、各家庭にも良い影響があって、ゆめの木保育園に関わるみんなが笑っていられるような、愛で包まれているような、そんな循環がある園にしていきます。
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株式会社Visionary
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＊『区民ニュース』の記事を読みましたとお伝え下さい。