誰がつけたのか「コロナ太り」という流行語があります。家にこもっていると活動量が減るので太りやすくなりますし、やることがなくて普段よりもたくさん食べてしまえば一層の拍車がかかります。


コロナ太りへの対策

現在のあなたの体型というのは、これまでの生活習慣の現れです。生活習慣を変えれば、体型も変わってきます。これがダイエット(数は少ないですが増量)の原理です。具体的には、痩せたければ痩せるような生活を、太りたければ太るような生活を、今の体型を保ちたければ維持できるような生活をすれば良いのです。あくまでも流動的なもので、ずっと痩せ続けるとかずっと太り続けるのは無理で、どこかの時点で維持に移行します。今回のコロナ太りは、短期的に太るような生活をした結果なのは明らかですね。それでは自粛が解除されて、コロナ自粛生活に入る前と同じ生活に戻すとどうなるか?ですが、答えは簡単で、今の体型のままです。通勤とか通学、スポーツクラブ通いが自粛解除で再開されれば、今のペースでコロナ太っていくのを阻止することはできますが(維持)、肥えてしまったものを減らす効果はありません。コロナ太りした人が自粛前の体型・体重に戻したければ、一時的にカロリーを過分に消費しなければいけません。バランスの問題で、食べ物で摂取するカロリーよりも活動・運動で消費するカロリーの方を多くするのです。


体重コントロールには運動と食事の両方が必須

体重コントロールに運動は必須ですが、実は運動だけでカロリーを消費するのは至難の技です。私の知り合いも毎朝何キロか走っているようですが、ちっとも絞れません。その理由は、夜に飲むお酒とつまみの量が多いからのようです。スポーツクラブに行っている方はランニングマシンで走るとわかると思いますが、時間をかけて走った割には、消費カロリーの数字は増えていかないのです。だからといって食事だけで摂取するカロリーを減らすのは、一見効果的でいいようですが、「痩せる」よりも「衰える」感じです。免疫が落ちてコロナにもかかりやすくなります。モデルさんで、足が細くても“ふくらはぎ”が棒足になっている人は、食べなくて痩せた人です。当然骨折のリスクも上がります。医者としては絶対にお勧めできません。



カロリーは万能か?

「痩せる・太る」の指標として、カロリーが万能かといえば、それは違うと思います。しかし、大スジで合っていますし、それ以上の目安が存在しないのが現実です。集中治療室に入院中の、生きるか死ぬかの患者さんの点滴管理だってカロリーでやっています。一部の例外を見つけて「カロリーは意味がない」という人は適切でありません(声を大にして!)。「同じカロリーでも太りやすい食事と太りにくい食事がある」「同じカロリーでも太りやすい人と太りにくい人がいる(腸内細菌?)」「同じカロリーでも食べる順番で・・」「同じカロリーでも食べる時間帯で・・」などなどその気にさせる誘惑が多いです。それは代謝の問題で必ずしも間違っているとはいえませんが、針小棒大(おおげさ!)です。マスコミも興味を引くためにこぞって取り上げます。しかし食べる順番だろうが、時間帯だろうが、条件を同じにすれば、カロリーは低い方が痩せます。宴会帰りで夜遅くのラーメンも、午後3時に小腹が空いて食べるラーメンも、食べる時間帯よりも食べなければその方が痩せるのです。そういう意味で、カロリーの方が絶対だし、カロリー以上の目安が存在しないのです。




監修

アレックス脊椎クリニック  院長

吉原 潔(よしはら  きよし)


PROFILE

日本医科大学卒業 医学博士。

卒業後は日本医科大学の付属病院および関連病院で研修・勤務する。日本スポーツ協会公認スポーツドクターでもあり、社会人リーグやプロスポーツ選手の治療に当たってきた。その後、帝京大学溝口病院整形外科講師、三軒茶屋第一病院整形外科部長を経て、現在はアレックス脊椎クリニック院長。脊椎内視鏡手術のパイオニアだが、スポーツ医学との接点が多く、フィットネストレーナーの公認ライセンスも所持(NESTA:全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)。筋力トレーニングおよび体重管理にも造詣が深い。


ホームページ

アレックス脊椎クリニック  https://ar-ex.jp/spine

黒河内病院  https://kurokouchi.or.jp/index.html

腰博士 https://koshihakase.com

M+ POWER https://m-pluspower.com


著書

◆脊柱管狭窄症 腰のスーパードクターが伝授する 最新最強自力克服大全(わかさ出版)

◆脊柱管狭窄症 腰の名医20人が教える最高の治し方大全(文響社)

◆ひざ痛・変形性ひざ関節症(文響社)

◆腰の痛い人が読む本(エイ出版社)

◆腰痛を自力で治す本(ベースボールマガジン社)

ほか

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