その昔、会社の先輩に「政治と宗教とプロ野球の話しはするな!!」と数十年前に言われたことがありました。どうやら、営業トークのNG話題と言われているようです。みなさんも記憶にあるという方も少なくないと思います。  

 

政治・宗教・プロ野球の話しは、お客様との会話や雑談には、話題として選んではいけないNGの話題ということらしいですよね?政治は人によって支持する政治家や政党が異なるため、宗教は人によって信仰が異なるため、デリケートな話題です。

 

プロ野球の話題は昔ほどではなくなったイメージですが、野球自体が残念ながら昔ほどの熱が薄れてしまっているようで、話題に出しても少しくらいなら問題無くなっている感じもします。ただし、自分のご贔屓チームのお話しを延々に続けて、実はお相手が別のチームのファンの方だったら、お話もうまく進まない気がしますよね。

 

最近、政治の世界では「宗教団体とは付き合わない」というような内容のニュースが良く報道されておりますが、葬儀社に勤務していると「宗教団体とお付き合いしないと商売にならないよ」と思いながらテレビを見ているのです。

 

政治と宗教については、今でも踏み込んではいけない「タブー」のような事があるように思いますし、それに触れてしまったら時と場合によっては大変な問題に変わってしまうこともあるでしょう。だから、迂闊にお客様とのトークに、政治や宗教のお話しを使うのはやはりNGなのでしょうね。

 

そんな流れで葬儀業界での「タブー」についてお話していきます。私が葬儀社に勤務し始めた20数年前、先輩に教わったのは「お布施の金額は絶対言うな!!」というものでした。理由は単純で、お布施はお寺さんによって様々ですし、お布施はお寺さんが受け取るもので葬儀社が受け取るものではないから、金額はお寺が提示するものだからです。

 

また、お客様に「あの葬儀屋さんが〇〇円と言ったから」とお寺さんに言われてしまったら、葬儀社としてもお寺さんとの関係が悪くなってしまいかねないからです。

 

それでも、お客様は「相場で構わないので教えてください」と何度も聞いてきます。私たちも「宗派やそのお寺の格式などによって様々なので、直接、お聞きした方が良いですよ」とお伝えして、お客様の菩提寺さんに直接お電話していただいておりました。その方が結果としてトラブルは少ないと思います。

 

たまに、「そんな事も知らねぇのか?」って顔で見てくるお客様もいますし、お客様からお電話があり「うちのお寺さんは『お気持ちで結構です』としか言わないから困っています」と言われることもあり、私も葬儀担当者として頭をひねりながら回答していましたね。

 

タブーだと思っていたところに、インターネットの普及に伴い、葬儀社紹介の仲介をインターネット上で行う会社が増えて行きました。葬儀社紹介の仲介業者は、葬儀業界に携わった事がない方ばかりなので、あろうことか、タブーだと思っていたお布施の金額を、自社のページ掲載してしまったのです。

 

その後、案の定とでも言うのでしょうか、その仲介業者ととある宗教団体が揉めてしまったのですが、それに乗っかって、お寺のお布施はボッタクリだと書籍にするものもいれば、仲介業者側に付き、通常よりも安いお布施で件数をこなすお坊さんも現れました。

 

現在、葬儀社紹介の仲介業者が、うまい事「格安のお葬式こそが良いお葬式である」という感じで世間を味方につけていますが、結局、ご利用者の中には、内容や対応に不満があると声をあげる方も多いとお聞きします。

 

だからこそ、お葬式は事前準備が大切なのです。昔は「亡くなってもないのに、葬儀の相談する奴があるか!!」と言われ、生前に葬儀のお話しをすることは「タブー」と言われておりましたが、今ではタブーでは無くなったように思います。

 

  

 

こちらのブログをご覧のお葬式のご相談をご希望されている方は、メールにてお葬式の事前相談を実施しております。あなたがもしもの時に慌てない為にも是非ご活用ください。d.kobayashi.sousaidr1@gmail.com  (1級葬祭ディレクター  小林大悟  相談メール)

 


著:一級葬祭ディレクター 小林大悟