
株式会社粘土科学研究所の代表を務める手塚平さん。天然のクレイ(粘土)を使ったスキンケア製品を専門に製造・開発する化粧品メーカーを経営。同社は創業から約40年、クレイ一筋で歩んできた歴史を持ち、スキンケア業界では屈指の老舗として知られている。製品の主成分である国産モンモリロナイトは保湿性に優れ、「突っ張らないクレイパック」として多くのユーザーに親しまれている。自社ブランドの展開や地域イベントの開催など、既存の枠を超えた柔軟な発想と行動力で、クレイの可能性を広げ続けている。
今の仕事を始めたきっかけを教えてください
もともとは、音楽の道を志していたんです。ヒップホップが大好きで、20代の頃は本気でラッパーとして活動していました。年に100本ほどライブをこなしていた時期もあり、楽曲制作や全国でのステージなど、プロに近い環境でやっていました。ただ、あるタイミングで限界を感じたこともあり、25歳の時に母の手伝いとして今の会社に入ることになりました。母は当時、会社の代表として現場を一人で切り盛りしていて、まさに“天才型”でした。ロジックではなく感覚で成功させるタイプで、最初はそれについていくのが大変でしたね。
会社設立までの経緯を教えてください
祖父が創業したこの会社は、昨年でちょうど40年を迎えました。クレイに特化したスキンケア製品を専門に扱っており、私が代表に就任したのは2014年、31歳のときです。それ以前にも現場に携わっていましたが、正式に社長となってからは、経営やブランド作りなど、より会社全体を見る立場になりました。私自身は、母のような感覚型ではなく“戦略型”だと思います。会社としての持続性を高めるため、別会社であるクレイブランド「KURUMU」の立ち上げや情報発信、イベント開催などにも注力してきました。
普通の化粧品会社では思いつかないような仕掛けを作るのが大好きです。

会社の特徴を教えてください
当社の最大の強みの一つは、日本国産の「モンモリロナイト」というクレイを使用している点です。このクレイは保湿性が高く、通常のパックにある“乾燥して突っ張る”といった印象とは真逆の“潤うパック”が実現できます。また、500本以上のクレイ関連ブログを執筆してきた経験を活かし、OEMを希望されるお客様には、製品設計だけでなく、販売に役立つ情報やストーリー構築のご提案も行っています。さらに、歯磨き粉や化粧水、美容液などクレイ配合の商品ラインナップも多く、その柔軟性と開発力が評価されています。

この仕事のどんなところが好きですか?
一言で言えば“プロデュースできること”ですね。OEMの製造業務にももちろん注力していますが、自分たちのブランドやイベントを作り上げるプロセスには、心からワクワクします。たとえば、チョコレートファウンテン風の粘土パック体験や、デパートでの歯磨き実演など、普通の化粧品会社では思いつかないような仕掛けを作るのが大好きです。それが「おもしろいね」と言われたときは本当にうれしいです。また、社員や地域の方々がその仕掛けで笑顔になってくれる瞬間も、仕事の大きなモチベーションです。
今後やりたいこと等、展望を教えてください
これからは、会社の中をもっと強くしていきたいと考えています。今までは外向きのブランディングに力を入れてきましたが、今後は社員にとっても誇りの持てる会社づくり、つまり“インナーブランディング”にも取り組んでいきたいです。また、展示会への参加や営業活動にも本腰を入れ、クレイのOEM分野でのプレゼンスをさらに高めていきたいですね。最終的には、「日本国内のクレイ化粧品といえばすべて粘土科学研究所が関わっている」と言われるような存在を目指しています。そして何より、自分たちが本当に楽しいと思える仕掛けを続けていくことが、未来への最大の投資だと信じています。
インタビュー後記
“粘土科学研究所”という重厚な社名からは想像もできないほど、代表の手塚さんは軽やかでユーモアに富んだ語り口の方でした。ラッパーとしてステージに立っていた経験や、バスケットボールチームの長年の運営など、多面的なキャリアを通じて磨かれた“場づくり”の力。その力は、化粧品の開発にも、地域のイベントづくりにも、社員のマネジメントにも、すべてに生きているように感じました。「みんなの面倒は俺が見るから自由にやっていいよ」と背中で語る姿は、まさに令和の“兄貴分”です。イベントや商品の裏にある、そんな“人間力”こそが、粘土科学研究所の最大の魅力なのかもしれません。
お問い合わせ
株式会社粘土科学研究所
代表取締役 手塚 平(テヅカ タイラ)
〒134-0084 東京都江戸川区東葛西6-9-9
TEL:03-3686-6306
FAX:03-3686-6378
Eメール:info@nendokagaku.co.jp
ホームページ:https://nendokagaku.co.jp/
*お問い合わせの際、『区民ニュース』の記事を読みましたとお伝え下さい。