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財産の生前贈与について教えて下さい。
(2年前の記事です) 掲載日:2022/11/21
義母が最近急に「認知症になる前に財産整理しておきたい」と言い出しました。
義母はうちの主人が幼少期に離婚、そして10年前に再婚。しかし「自分が死んだら財産は全部うちの主人に渡したい」と言っています。死んでからだと税金などで迷惑をかけるので出来れば生前に渡したい・・とのことですが問題はないでしょうか?
義母は化粧品セールスで成功された方なので多分自宅含め億単位の資産はあるはずです。どういう贈与をすればいいのか分かりません。万が一、一度に千万単位のお金を自分の子どもに振り込んだりすると銀行が税務署に報告するなど目をつけられる様な事があるのでしょうか?
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

贈与だけでなく遺言もご検討ください。
また税務署は預金の情報を把握していますので適切に納税をする必要があります。
生前に全財産をご主人に贈与したいとのことですが、この方法は問題があります。贈与税がかかるためです。贈与税は相続税より高額になることが多く、お義母様のご希望にそわないこととなるかもしれません。
そこで、まずは「遺言」の作成をおすすめします。遺言によりお義母様がお亡くなりになった時にご主人に財産が承継できるようにします。その際には、お義母様の再婚相手との間で、遺留分の問題が生じることも考えられますので、注意が必要です。
その上で、生前に特定の財産を贈与したいとのご意向がある場合には、その財産だけ「贈与」をすることも可能です。一部の財産だけの贈与であれば、金額次第で贈与税がかからなくなることもあります。
さらに、認知症対策をご希望の場合には、「信託」や「任意後見契約」もご検討下さい。
以上のように、ご本人のご希望をお伺いして、いくつかの方法を組み合わせていかれるとよろしいかと思います。
最後に、税務署は各銀行へ照会を行って預金の情報を把握していますので、相続税や贈与税は適切に納税する必要があります。
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