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旦那と死別し子供がいない56歳です。将来不安です。
(2年前の記事です) 掲載日:2022/11/05
3年前に旦那と死別、20年の結婚生活で妊活は私なりに頑張りましたが、ご縁はありませんでした。
思いもよらない別れで再婚など考えられず、老後がとても不安です。今後の事は全く分かりませんが、私がボケて世間の皆様にご迷惑をかける前に成年後見制度とか死後事務委任契約とか何方かに入って頂きお願いすべきでしょうか?
こういうことに疎くて何方にご相談すればいいか分かりません。教えて下さい。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

私がお答えします。
おひとりさま歴が長い方に比べて、これまで頼りにしていたご主人との死別によっておひとりさまになってしまった方は、突然襲ってくるご不安が、より大きいかもしれません。
ただ闇雲に将来について不安を抱くのではなく、まずは整理して考えましょう。
将来のステージは、3つに分けて考えるべきです。第1ステージは、今現在のお元気なときから病気や軽い認知症などにより、重要な判断が必要なときに支援が必要な時期、第2ステージは、認知症がかなり進行してしまったり、病気で意識障害になってしまったりして、重要な判断が自分ではまったく出来なくなる時期、第3ステージは、亡くなった後の時期です。
第1ステージでは、いつまで元気でいられるかという安否確認、急な病気になったときの入院や手術の対応などを依頼できる人を探しておくべきです。また、入院や高齢者施設への入居の際には、「身元保証人」を求められることが多くありますので、併せて「身元保証人」も依頼できるかどうかを確認しておきましょう。
第2ステージへの備えとしては、自分で財産管理ができなくなったときに、誰にお金のことを任せるのかを考えておかなければなりません。特に、認知症になってしまった後に持ち家を売却する必要があるときには、成年後見制度を利用しなければならなくなります。事前に後見人になってくれる人を指定しておけるように「任意後見契約」という備えのための制度もあります。
第3ステージへの備えとしては、もちろん、葬儀やお墓のことを事前に決めておくことも必要ですが、実際に葬儀社とやり取りをして喪主をやったり、納骨の手続きをしたりしてくれる、死後の取りまとめ役・手配の役割の人が必要です。いくら元気な時に葬儀やお墓を決めていても、死後に自分の足でまたいで棺に入り、また、歩いてお墓に入りに行くことは出来ません。誰かにやってもらわなければならないのです。
これらのステージごとに必要な備えを、相続人以外の人や団体に依頼するときは、それぞれ「委任契約」「任意後見契約」そして「死後事務委任契約」といった契約が必要になります。
こうした契約は、弁護士、司法書士、行政書士などの士業が受けてくれることもありますし、株式会社OAGライフサポートのような専業事業者もありますので、引き受けてくれる内容の違いや費用についてよく調べてみることをお勧めします。
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