【不思議を問う勇気】
黒崎輝男(自由大学 創立者)

「なぜだろう、なぜかしら」という本を小学校低学年の頃、僕は愛読していた。それは当たり前のことを一々「不思議だな」と疑問視して、そのわけと理由、いわは ゙“sense of wonder” を掘り起こしていくことを書いた本だった。

学校で学習して、「そんなことは当たり前だ」ということをわざわざ掘り起こして、「そんなことを聞くのも恥ずかしい」といったことを聞く勇気、疑問に思うことをありとあらゆる方向から再度問題として提起していく姿勢を僕らに教えてくれていた。

「好奇心の勧め」を僕は最近のテーマとしている。学校で学ぶということは、ほとんどができるだけ早く正解を出すことに尽きる。

だけど、世の中には正解の無い問いかけがたくさんあるばかりか、そもそも何が問題かもわからないことがたくさんある。そこで「なぜだろう、なぜかしら 」を常に忘れないで心に留めていようと思う。

みんな起業したり、友達と何かを始めたり、事業を起こしたりに集中して、その言葉を忘れている。お金のために全ての行動の根本の動機づけをするということが、大きく方向を狂わせる元になっている。

むしろ面白いこと、きれいなこと、素晴らしいことといった視点や、自然なこと、本来あるべきこと、良いことという視点なども入れてみたらどうだろうか。

「美しいことをやろう」などと言うとキザな奴と言われるから「カッコいいことをやろう」とすると良いかもしれない。

人のためになること、という裏にお金を儲けることが隠れていないか? 綺麗にお金も儲かる事業を組み立てたい。

最近の社会を見ると、自然の摂理に反して農薬や人工的な肥料で体に悪いものや自然を壊すもの、多様な視点を否定してきたがために、近年の異常気象や、はたまた地球温暖化により自然が大きく崩れて、人類の生存も危ぶまれるところに来ている。

こうした状況だからこそ、新しく社会や世界を作り替えたり、良いことや美しいことを始めることに意味があると思う。

それにはいろいろな人、奇人も含めて変わった人や面白い人がたくさんいて、話しているという環境を作り上げたい。
“Inspiration comes from conversations.” インスピレイションはとかく、会話の中に潜んでいるものである。

変わった人との会話から、いいヒントが得られたりするものだ。

そこに、初めて新しいことを始めるアイデアが生まれるものだ。

それも一緒にものを作ったり、料理をしたり、作業をしながら笑ったりすることの間に隠されていることが多い。

体すべてを動員して、感覚も頭だけでなく、笑ったり泣いたりすることを含めて、無い知恵を絞って全力で新しいことを始めようではないか。

奇人を含め、変な人や面白い人が集まってくる状況を作ろう。その中から天才的な叡智が出てくることを期待している。今ほど新しく大きく変えることが求められている時は、無い。

TEXT : 黒崎輝男 / 自由大学ファウンダー
kuroteru9

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