まちの仕事人インタビュー
生命の場を美しく歩く
ウォーキングドクター デューク更家 (デュークさらいえ) さん インタビュー

和歌山県新宮市出身。間違った歩き方で足を痛めた母親のことをきっかけに、元気・健康・長寿を目指す、独自のウォーキングエクササイズ「デュークズウォーキング」を確立。モナコと東京に自宅を構える。「ウォーキング寿命は健康寿命」であると掲げ、100歳まで自分の足で歩ききる「ぴんしゃんウォーキング」にて、どう歩くかを全国各地で伝えている。同時に、歩くことで道徳を教える「歩育(ほいく)」などのイベントも開催している。

歩くことで、人生は変わる

この仕事を始められたきっかけを教えてください。

歩くことに関心を持ったのは、大好きだった母が亡くなったことがきっかけ。肝硬変で体調を崩して医者に診てもらったときに「歩きなさい」と言われたようで、地元の大浜海岸の砂浜を歩いていたんだけど、膝を悪くしてしまってね。その後、車いすになって半年くらいで亡くなってしまって、「健康になるために歩いた結果、早く亡くなったんちゃうか?」と考えるようになって、とても悲しかったですね。そんなことがあった後、コシノヒロコさんのファッションショーの演出の仕事をしていたときに、『モデルさんに教えているウォーキングを、一般の人に教えてみる』という企画で声を掛けられて、人に教えたのがこの仕事のスタート。週1回、1ヶ月間のウォーキングを教えただけで、歩く姿勢を含めてどんどん綺麗になっていって、良いご縁にも恵まれたみたいで、後々「結婚することになりました!」って報告にも来てくれたよ。モデルさんじゃない一般の人が、歩くことでこんなにも変わって、こんなにも喜んでくれるんだって分かってからは、こっちも嬉しくなって、どんどんウォーキングにのめり込んだよね。でも、初めは結構悩んだんだよ。それまで“ウォーキングの先生”なんて仕事は世の中になかったから、どうやって伝えていこうかって考えて、まずは理論的に正しいことを伝えるために人間の身体の仕組みについて徹底的に勉強したよね。気功やヨガ、ピラティス、呼吸法なんかも学んだよ。“歩く”ということについては、相撲やクラシックバレエなど、とにかく何でも参考にした。そして、競歩を見たときに、「歩くことをエクササイズにしたらええんや!」って閃いて、そこから『美と健康』をテーマに、ウォーキングをホテルや百貨店の文化教室で一般の人に教えるようになって、いままでやってきているよ。ちなみに、あの両手を挙げて交差する『トルソー』のポーズは、イタリアの美術館の彫刻がヒント。見た瞬間に「コレだっ!!」って思って、そのまま彫刻の前でポーズをとりながら、ぐるぐるウォーキングしていたら、ガードマンが2人飛んできて、外に放り出されちゃった。あれも良い思い出だね。

仕事の特徴はどのような点にありますか?

僕の特徴は、健康であり続けるためのウォーキングを、東洋医学や西洋医学に基づいて理論的に追求しているところ。大学病院や大きな病院の先生たちと一緒に研究したものなどもあるけれど、ここまでやっているウォーキングの先生はいないんじゃないかな。もともと“最期まで自分の足で歩ききる人生”を送ってもらいたいと考えて教えてきたけれど、最近は生徒さんも高齢になってきて、健康とは言い切れない人も増えてきた。そこで10年前から“健康でない人でもできるウォーキング”や“歩くことで健康になるウォーキング”の開発に取り組んでいて、今では『メディスンウォーク』として“歩いたら治る”ということも教えているよ。『歩』という字は、「止」と「少」が重なり合ってできているでしょ。これは、歩くという動作が「脳の活動を“止” めることが“少”ない」ということを表していて、そのくらい歩くこということは、脳の活性化につながっているんだよ。だからと言って、歳を取ったらとにかく歩かないと駄目ということもない。母のように足を悪くしてしまうこともあるからね。1日1万歩でなくても良いし、60代で1万歩だったなら80代では5,000歩にするなど減らしても大丈夫。その人に合ったフォームで無理なく歩くことが大切なんだよ。


自分に合った歩き方を目指して

どんなお客さまが多いですか?

健康な人がほとんど、あとは医師から運動した方がいいって言われた健康でない人が少し。年齢的には40代~80代が多いかな。昔「情熱大陸」って番組に出たとき、50人ほど募集していた文化教室へ、放送翌日に1,000件以上の問い合わせがあったと聞いてビックリしたけど、そこから『1mウォーキング・ダイエット』という本が100万部売れたこともあって、イベントや教室にはいつも人がいっぱい来てくれるよ。ちなみに、ショッピングモールで定期的に開催しているイベントには、10年以上通ってくれている95歳の人がいて、すっかり顔なじみなのと、あっちの方が人生の先輩だから、いつもタメ口。まぁ、それも良いよね。今は『メディスンウォーク』として、歩いて病気を予防したり、病気を治すことにも取り組んでいるから、今まで参加したことの無い、“あまり健康ではないけれど、医師から指摘されるほどでもない”人にも、是非来てほしいよね。

仕事をするうえで心がけていることはありますか?

まずは、いつも楽しくしていたいから、面白く笑いながら話すことかな。あとは、人によってアドバイスを変えること。ストレッチの仕組みや、歩くフォームの基礎となる部分は変わらないけれど、歩くリズムは人それぞれで一番いいと感じる部分が違うから、それをキチンと伝えて、一人一人が自分に合った歩き方ができるようになるように意識して教えているね。実は、昔から『ウォーキングパラダイス』という施設を作りたいと思っているんだよ。ここは誰でも自由にやってきて、“歩く医師”から無料でウォーキングを学んで、健康になるための歩くフォームを身につけて帰れる場所。自分がこれまでに学んできたことを、もっともっと多くの人に知ってもらいたいから、インストラクターを育てつつ、開設に向けて動いているよ。スポンサー企業さんがいたらうれしいですね。自分もいい歳になってきたけれど、これからもみんなの生命が交差する場所の中で、美しく歩き続けていきたいね。


インタビュー後記

情熱の塊としか言い表しようのないデューク更家さん。テレビなどで大ブームとなったウォーキングには、さらに磨きがかかり、ついには歩くことで身体を治す『メディスンウォーク』の領域に。テレワークの普及や、スマホの進化により、身体を動かす機会が減っている現代人が、最後に辿り着く究極の運動は、自分の足で“歩く”ことだ。

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