
社名:食べもの通信社
代表:古家 裕美(ふるや ゆみ)
設立:1970年
場所:千代田区神田神保町
事業:書籍及び雑誌の企画・編集・制作・発行
今回取材に伺ったのは、神保町にオフィスを構える老舗の出版社です。遡ること55年、子供たちの未来のために栄養士が立ち上がりました。食について本気で考える雑誌に込められた想いに迫ります。
食べもの通信社の成り立ち
食べもの通信社は、今年で創刊55周年を迎えた月刊『食べもの通信』を発行している出版社です。もともとは、55年前に公害が社会問題となっていた時代、栄養士の方々が「このままでは子どもたちの未来が心配」ということで集まり、自分たちで研究したことをまとめて発信したところから始まりました。現在は家庭栄養研究会という研究団体が企画や編集をしており、我々は原稿を雑誌として出版・販売する部分を担っています。

記念すべき第1号
内容としては、「心と体と社会の健康」をテーマに、どうしたら食や暮らしを通して健康に生きていけるかを伝え続けています。グルメ雑誌のように「おいしいものを楽しむ」だけではなく、食を通して社会や環境の問題にも目を向ける、そんな雑誌を目指しています。
栄養士や保育士のような食に携わる方が読者には多いですが、最近は健康意識の高い主婦・主夫の方にも読まれています。
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社長に就任した経緯
私自身、もともと食にそこまで興味があったわけではありません。むしろジャンクな食生活で、お酒も飲むし、何でも気にせず食べるような生活をしていました。ただ、子どもが生まれてから「この子にはちゃんとした食べものを食べさせたい」と思うようになりました。
そんな折に月刊『食べもの通信』と出会い、最初はアルバイトのような形で経理や事務を手伝い始めました。少しずつ会社の中に関わるようになり、2024年7月に社長を引き継ぐことになりました。正直、自分が社長になるなんて思ってもいませんでしたが、「子どもたちの未来を守るために、食の大切さを伝えていきたい」という思いは今も変わりません。
取り組みについて
紙の本自体が読まれにくい時代になってきていますし、読者の高齢化も進んでいて、購読者数もピーク時より減少しています。会社の存在を知ってもらうために、SNSでの発信や書籍の出版、電子書籍など新しいことにも挑戦しながら、日々試行錯誤しています。

手に取りやすい書籍からも食べもの通信社の雰囲気を知ることが出来ます
こだわっているのは、広告収入に頼らず、読者からの購読料だけで雑誌を運営している点です。広告を載せてしまうと、スポンサーに忖度しなくてはいけなくなり、本当に伝えたいことが言えなくなってしまいます。たとえば「添加物は避けたい」といった話も、広告主に配慮して書けなくなってしまう。だからこそ、あえて広告は取らず、市民目線で独立した情報を届ける形を守り続けています。
ビジョン
これからも「食の安全」を守り続けるというのが、私たちの一番の目標です。食のことを忖度なしに、きちんと伝えていける場所は本当に少ないと思います。だからこそ、誰かがやらないといけないし、これからも食べもの通信社がその役割を担っていきたいです。
Instagramやnoteなども活用して、もっと幅広い世代に「食べもの通信社」を知ってもらいたいと思っています。特に子どもを持つ親御さんには、「食」を通じて、家族の健康や未来を考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。
note以外にもInstagram、Xなど各種SNSで情報発信しています
インタビュー後記
私の場合、ラーメンやファーストフードが好きで健康的な食生活とは程遠いのが現状です。ただ、身体にいいものを食べたいという気持ちはありますし、家族に小さい子どもがいたりすればその気持ちはもっと強まるはずです。「興味がない」ことでマイナスはありませんが、「知らない」ことでマイナスはあるかも知れません。食のことだけに、あとあとショックなことにならないように、日々口にするものについてもっと知ろうと思えるいい機会になりました。まずは各種SNSをフォローしてみてはいかがでしょうか?
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