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相続がある為、遺品を整理していたら遺言書が出てきました。
(2年前の記事です) 掲載日:2022/11/21
相続がある為、遺品を整理していたら遺言書が出てきました。(裁判所を通した正式なものです)
正式な遺言書は3通あると聞きました。「本人」「立会い者」「裁判所」の3通。
3通ともそろわないと成立しないのでしょうか?文面は全て同じだと思いますが、万が一そろわない場合、優先順位はありますか?(裁判所→本人→立会い者の順とか)
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

3通そろう必要はありません。遺産承継には「正本」を使います。
N様が見つけられた遺言は、「公正証書遺言」と思われます。
公正証書遺言は、「公証役場」で作成した遺言です。公証人は裁判官と似ていますが、遺言の作成に関与するのは公証人になります。
この公正証書遺言には、「原本」、「正本」「謄本」の3種類があります。
「原本」は、公証人、本人、証人が署名押印したものです。公証役場が保管し、外に出ることはありません。
「正本」、「謄本」は原本の写しで、どちらも本人に渡されます。このうち原本と同じ効力があるのは、「正本」だけです。そこで、「正本」は本人が保管し、「謄本」は立ち会った証人が保管することもあると思います。
遺産を承継していくにあたって、3通そろう必要はありません。原本と同じ効力のある「正本」を銀行や法務局には提出することとなります。
発見された遺言書の表紙を見て、正本なのか、謄本なのかご確認下さい。もし正本が見当たらない場合には、遺言を作成した公証役場へ再発行を依頼する必要があります。
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