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住まなくなった親の自宅 売るべき?貸すべき?
(2年前の記事です) 掲載日:2024/01/06

数年前に父が亡くなり、先月、母が施設に入居しました。
父と母が住んでいた家は、現状、母の所有になっており、今後、母が家に戻らない限り、子供たち(孫も含めて)の中の誰かが、住むことは有りません。それを、今売るべきか、母が戻る可能性を信じて維持しておくべきか、リフォームなどして貸すべきか、兄弟(4人)で話し合っていますが、どう決断していいかわかりません。
何かよいアドバイスはありますか。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。
こちらのご相談は、大きく2つに分けて考えて見ましょう。
1.今やるか後でやるか
まず、自宅を最終的に売る予定だが、今売るか後で売るかについてを考えるには、3つの論点があると思います。
①相続税の節税をしたいかどうか
②自宅等の不動産を誰が相続するか決まっていて、相続人間で円満に分割ができそうか揉めてしまいそうか
③今売れる(貸せる)物件か、将来売れる(貸せる)物件か
1-1.相続税の節税をしたいかどうか
相続税がかかる場合は、不動産の評価の際、小規模宅地等の特例が使える場合が有ります。本件では、お子様方は皆さん同居しておりませんので、もし、その中に相続人にであるお子様若しくはその配偶者が持ち家を所有していない場合は、この特例が使える可能性があります。適用するための要件はいくつかありますが、その要件のひとつに、相続した対象不動産を相続発生から10ヶ月(申告期限まで)は所有する必要が有ります。そして、要件をすべて満たした場合、不動産評価を8割減にすることができますので、効果は大きいです。
また、相続税評価の際に適用する評価額は、路線価評価といって、一般的には市場価格の8割程度といわれておりますので、生前に売却した額を現預金などで所有している場合よりも相続時には低い額で評価ができる可能性が有ります。これらについては、専門家に確認するのが良いでしょう。
1-2.相続人間で円満に分割ができそうか揉めてしまいそうか
不動産は、すぐに売却予定でない場合等に、共有名義にすることは、あまりお勧めできません。この場合、それ以外の財産がどれくらいあるかによっては、なかなか話がまとまらないということもよくあります。また、ご兄弟の仲が良いか悪いかによっても、今売却するか相続発生後に売却するかは関係してきます。ご兄弟の仲が悪く、他の財産との割合が悪い場合などは、均等に分けることが難しい不動産を事前に売って、相続財産を均等に分けられる預金などに変えておくことで、揉めるリスクを最小限にできると考えます。
相続財産全体との関係、ご兄弟の関係が良好かどうかを考えて、検討することをお勧めします。
1-3.今売れる(貸せる)物件か、将来売れる(貸せる)物件か
今は売れる(貸せる)けれど、数年後には、思っていた価格では売れない(貸せない)ということは、よくあります。市場の動向等は、なかなか難しいところでは有りますが、市場の色々な情報を集めることがポイントです。
2.売るか貸すか
また、売るべきかリフォームなどして貸すべきかですが、これは、誰が相続するかがきちんと決まれば、その人が単独で決められるのではないでしょうか。ただ、リフォーム等をする場合、その費用も相続財産から出したいとなると、揉める可能性も有ります。この場合、賃貸不動産を共有名義にしがちですが、1でも述べましたとおり、先を考えず共有名義不動産にしてしまい、その後、困っている方がとても多くいらっしゃいます。
例えば、共有名義人の誰かが亡くなった後には、その配偶者とお子様も共有名義人になります。このように、どんどん共有名義人が多くなるのが一般的ですし、共有名義人の誰かが認知症になってしまうと、売却したいのにできないという可能性もあります。
売るか、リフォームして貸すかは、
①遺産分割について、相続人の全員が納得しているのか
②リフォームの場合の費用を誰が負担し、誰が相続するのか
③貸した場合の管理等は誰が行うのか
④(賃貸収入-リフォーム費用)と売却額どちらが良いか
⑤一括で資金が入る方法と月額など定期的に資金が入る方法のどちらが相続人に合っているか
⑥自分たち若しくは、自分の子供達等が、将来揉める可能性はないか
⑦借りてくれる人がいるのか、売り先があるのか
これらを複合的に調整して、時期や方法を決断してみてください。不動産の査定やリフォーム費用のお見積りなどは、ほとんどの不動産会社が、無料で行ってくれますから、そちらを依頼して、比較しても良いと思います。シミュレーション等は、不動産会社でも行ってくれますが、不動産のみを考えたシミュレーションになっていることが多いです。税金なども含めて考えたい等の場合は、税理士にも確認してみると良いでしょう。