まちの仕事人インタビュー
【最高に元気な70代を増やしたい!】身体の機能を知り尽くした理学療法士がピラティスに目をつけた理由とは
株式会社Physio Conditioning 代表取締役 増渕 喜秋 (ますぶち よしあき) さん インタビュー


株式会社 Physio Conditioning

スタジオ名:Physio Pilates conditioning studio

( Physio:理学療法士、Pilates:ピラティス)

設立:2024年4月

場所:東京都文京区本郷1-35-26  スカイテックビル6F

今回伺ったのは、文京区後楽園エリアに今年開業したばかりの理学療法士が運営するピラティススタジオです。マッサージ等で身体の調整を行った後、個々の健康状態に応じた運動療法としてのピラティスを提供しています。創業者の増渕さんに、スタジオ開業に至る経緯から今後の日本の健康課題までを伺ってきました。

健康や身体に興味を持ったきっかけは?

健康や身体に強い関心を持つようになったのは、学生時代の運動経験からでした。


中学時代にサッカーをしていた際、成長期の膝の痛みに悩まされました。

病院で痛み止めの注射を受け続けても根本的な解決には至らず、「なぜ自分の膝はこんなに痛むのか?」という疑問が身体の仕組みやケアに対する興味を持ったきっかけでした。


一度は一般企業に就職したものの、理学療法士を目指す後輩の話を聞く機会があり、身体への興味と患者さんをサポートする仕事に惹かれ、仕事を辞めて理学療法士を目指すことを決めました。



奇遇にも、副代表の伊牟田も同様の経験から理学療法士を目指したと聞いています。


伊牟田は高校時代に野球をしていた際、腰の痛みに悩まされており、近くの整骨院に通っていました。

そこで行われた治療は赤外線を腰に当てて温めるもので、一時的に痛みは和らぐものの、毎週の通院が必要でした。


柔道整復師(整骨院の先生)にいつ治るのか尋ねても「自然と治るよ」としか言ってもらえなかったことへのもどかしさがきっかけとなり、自分がもし逆の立場になったら身体のことをちゃんと知って、適切にメカニズムを説明できるようになりたいと思ったそうです。



ピラティスについて教えて下さい

ピラティスは、20世紀初頭にドイツ出身のジョセフ・ピラティス氏が開発したエクササイズ方法(運動療法)です。


彼は幼少期にリウマチ熱やくる病といった健康問題を抱え、自身の身体強化のために独自のプログラムを考案しました。

そして、第一次世界大戦中にイギリスで捕虜となり、捕虜の健康管理や負傷した兵士のリハビリを支援する際、ベッドのスプリングを使ったトレーニング機器を作り出しました。

これが現代のピラティス器具(マシンピラティス)の原型となります。


その後、1920年代にピラティス氏はアメリカに移住し、ニューヨークのバレエダンサーが怪我からの復帰のトレーニングとしてピラティスを行うようになり、ハリウッドのセレブも愛用するようになりました。

近年、その影響から日本でもダイエットや美容に関心の高い女性たちの間で注目を集めていますが、起源はリハビリの一環としての運動療法です。


ただ、リハビリの一環としてピラティスを提供している病院やクリニックはまだ多くありません。


理学療法士がピラティスを取り入れた理由とは?

理学療法士として臨床5年目の頃、提供していた運動療法アプローチでは患者さんによって効果に差がありました。

新たなアプローチ方法を探求していた中で、スポーツクラブで開催していたマットピラティスのグループレッスンに参加する機会がありました。


当時30代前半でフットサルもマラソンもしており、体力には自信があったにも関わらず、隣の中年女性に腹筋のパフォーマンスで劣るという衝撃的な経験をしました。

「これは絶対何かある!」と感じ、インストラクターに話を聞くと、マシンを使ったピラティスもあることを教えてくれました。


すぐにマシンピラティスも体験に行ったところ、その帰り道の歩きで全身の繋がりの革命的な変化があり、「これは絶対にリハビリに活用できる!」と閃きました。


その後、ピラティスにどっぷりハマり、450時間以上のインストラクター研修を修了し、世界基準の最上位資格である米国認定ピラティス教師(NCPT)の資格を取得しました。


日本の現状として、整形外科クリニックは、理学療法士が効果的な運動療法を提供する施設が少なく、未だ電気治療や温めたり引っ張ったりする物理療法のみを提供している施設が多々あります。

特に腰痛においては3,000万人もの方が痛みや不安を抱えています。


また、健康保険を使ったリハビリでは受けられる期間が150日と上限が定められており、リハビリを受けられないリハビリ難民が街のスポーツクラブやマッサージや整体院等に通っているのが現状です。


近年の世界的な研究報告でピラティスは腰痛改善において科学的根拠が多数出てきました。


理学療法士が運動療法としてピラティスを提供することで、安全面を考慮しながら、痛めない効果的な身体の使い方を理解してもらい、自分自身で適切な動きをコントロールできる人が増えていけば、笑顔が増えていく未来を創造できる。

その思いに伊牟田も賛同してくれて、独立開業を決心しました。


増渕さんの描くビジョンについて教えて下さい

「最高に元気な70代の人を増やしたい」というのが私たちの願いです。


ピラティスのセッションを受けて頂いたお客さまから「今知れて良かった!」「もっと早く知りたかった!」と言われることがよくあります。


リハビリが必要な方だけでなく、昔の自分のような若い人たちにも身体の使い方を知ってもらいたいです。


医療現場を補完し、理学療法士の知識と技術を活かした運動療法としてのピラティスが、今後ますます重要な役割を果たしていくと思います。


インタビュー後記

ピラティスというと美容、ダイエットというイメージでしたが、理学療法士の方から話を伺ってイメージがガラッと変わりました。日本は保険適用で治療を受けられることから、海外に比べて予防への意識が低いそうです。長寿大国日本ですが、健康寿命も伸びることを願って。理学療法士として働いた経験が今のサービスに繋がっていて、身体について熱く語られる姿が印象的でした。実際に体験セッションも受けてみたのですが、身体の構造を教わった上で、器具のサポートをして頂けるのでとても安心感がありました。

お問い合わせ

Physio Pilates Conditioning Studio

東京都文京区本郷1-35-26  スカイテックビル6F

TEL:03-3830-0199

mail:info@physio-pilates.jp

HP:https://www.physio-pilates.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/physiopilates_ppcs?igsh=bDFsOGV6NGc1N2lh

日曜/月曜 : 休み

火曜 10:00〜19:30

水曜 13:30〜18:00

木曜 10:00〜19:30

金曜 11:00〜 20:00

土曜 10:00〜19:30

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割引価格で体験セッションが受けられます。