
社名:セレクトラ・ジャパン株式会社
住所:渋谷区東
設立:2016年
サービス:ライフラインの比較サイトの運営
今回取材に伺ったのは、渋谷区に本社を構えるセレクトラ・ジャパン株式会社(以下、セレクトラ)です。2021年よりカントリーマネージャーを務められているファニーさんは、フランス出身ですが、日本語も流暢に話されます。
独自の職場環境作りと、提供されているサービスの特徴について教えていただきました。
事業内容について
セレクトラはもともとフランスで2007年に設立された会社です。フランスでは電力とガスの市場が自由化され、消費者が自分で選べる時代になりましたが、適切な情報をまとめたプラットフォームがなく、多くの人が困っていました。そこから、ユーザーが情報を比較して一番適した選択ができる場を提供しようというビジネスが始まりました。
日本には2016年に進出しました。当初は電気やガスの情報提供がメインでしたが、今ではインターネットや保険まで幅広く扱っています。私たちの使命は、消費者が自分に合ったサービスを簡単に選べる環境を作ることです。
強みとなっているのは、SEO(検索エンジン最適化)で、Googleで検索をした際に、情報の正確さや適切さから、弊社の記事が上位に表示されるように工夫しています。結果として、たくさんのお客様にセレクトラのサービスを使っていただけるようになりました。
比較サイトとしてのこだわり
私たちが大事にしているのは、「頑張らなくても一番賢い選択ができる場を提供すること」です。そのために、3つのことに取り組んでいます。
1つ目は、ライフライン全てを1つのサイトに集約すること。
弊社のウェブサイトをご覧のユーザーは、基本的に引っ越しをされていたり、人生の中で大きな変化があるタイミングだったりします。その時に、色々な違うサイトを見るのは大変で時間もかかるので、電気、ガスだけでなく、ネット、スマホ、保険など全ての情報をまとめています。
2つ目は、情報を正確にすること。
私たちが記事を執筆する際、公式サイトで情報を確認するだけでなく、疑問点があれば直接企業に問い合わせて正確な情報を得るようにしています。また、実際にサービスを利用しているユーザーのアンケートやクチコミも積極的に活用しています。
3つ目は、ユーザーに応じた情報を提供すること。
どこか特定の企業を優遇することなく、正直で客観的な情報を届けることを心がけています。たとえば、電力プランを紹介する際も、単に「一番安い」とするのではなく、利用状況やニーズに応じた最適な選択肢を提案できるように、幅広い企業とのパートナーシップを取ることを心掛けています。
ファニーさんについて
私はフランス出身で、19歳の時に慶應義塾大学への留学プログラムで初めて来日しました。大学卒業後、日本に住みたい気持ちが強かったため、日本での就職を決め、大手保険会社とスタートアップ企業で勤務しました。どちらも非常に勉強になりましたが、ワークライフバランスを保つことに苦労したため、次はよりワークライフバランスを確保できる環境で働きたいと思うようになりました。
そんな時にセレクトラが日本市場に進出するための人材を探していると知り、入社を決意しました。パリオフィスで研修を受けた後、2019年から東京に戻り、日本での事業展開を任されています。
最初の半年は1人で小さい個室のオフィスに毎日勤務し、夜遅くまで記事を書くなど大変な時期もありましたが、日本の人材を雇うことができて、チームで仕事を進められるようになりました。

社風について
のびのびとした環境で頑張りたいという若者に働く場を提供したいと思っています。フランスの職場環境を取り入れながら、以下のようなことを社風として取り入れています。
ワークライフバランス
自由で柔軟な働き方を取り入れています。残業は基本的に禁止で、勤務時間もフレキシブルに調整できます。たとえば、会議が遅く終わったら次の日はゆっくり始業してもいいです。マネージャーがコントロールをし過ぎず、部下を信頼してあげることが、生産性向上に繋がると思っています。
時間効率重視
会議はできるだけ減らし、実施する場合は目的やアジェンダを明確にしておくことが基本です。無駄な会議の時間を減らすことで重要な業務により多くの時間を割くことができ、効率のよい働き方ができます。
国際的な雰囲気
東京オフィスにはフランス人やスペイン人、アメリカ人など様々な国籍のメンバーが在籍していて、毎日英語やフランス語が飛び交う環境です。海外に行かなくても国際的な経験ができるのも魅力だと思います。
今後のビジョン
今後はSNSを活用した情報発信にも力を入れていきたいと考えています。特にYouTubeでは、視覚的にわかりやすい形で情報提供を始めています。これまで文章で伝えていた内容を動画で伝えることで、より多くの方に情報を届けられると考えています。
また、オーストラリア市場への進出も進行中で、東京オフィスがその拠点となっています。AIが進化して情報の信頼性が問われる時代になっていますが、私たちは人間の声や実際の体験に基づく情報提供を重視していきます。今後もユーザーに信頼される情報を届け続けることが私たちの使命です。
インタビュー後記
ネットが流通し、何かを購入、選択する際には比較することが当たり前の時代になりました。今や、AIに尋ねれば、自分に合った最適解を数秒で検索し、文章にまとめてもらうことすら叶います。ただ、だからこそ調べた記事や、AIが考える元になるデータの正確性がより重要になっているのではないでしょうか。ライフラインに関する情報を一つにまとめ、正確性を重視して、ユーザーが楽に選択ができる場を作っている点が、非常に現代社会において真摯な取り組みであるように感じました。
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