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掲載日:2023/12/21

私は現在、母親と二人暮らし、バツイチ子無しの出戻り組のお独り様です。母は健在で幸い今のところ認知症にもなっていませんが、母と姉妹で、母の葬儀、相続等について相談しようと提案しているのですがいつも喧嘩になってしまいます。

妹は旦那の仕事の関係で現在福岡に住んでおり、年1回しか実家に帰ってきません。その時に私が母の終活について話をすると「縁起でもない!お母さんの死なんて考えたくない!」と怒りだしてしまい話になりません。私だって大好きな母の葬儀なんて考えたくありません。しかし、きちんと家族で取り決めをしておかないと、その時になって困ると思うのです。

現に父が亡くなった時、何も分からずバタバタしてしまし大変でした。私は、おかしいですか?こんな話をする場もなく皆さんのご意見を伺いたいと思い相談させて頂きました。

※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

麻生区民ミカタお答えします
田島 香織
麻生区民ミカタお答えします
株式会社トレセレ 代表取締役 葬儀コンサルタント
田島 香織

Nさんのご相談の内容は大切な方がいるならば、当然に感じる不安です。

そして私たちに寄せていただく相談でも皆さん同じように不安を感じてご相談される事が非常に多い内容です。

大切なご家族のお別れは誰も想像すらしたくない事です。「縁起でもない!」という妹さんの意見も、当然でしょう。

ですが、いつかは必ず全ての人にやってくる、避けては通れない道です。本当にお母さまの事を考えていれば目を背けてはいけない事でもあります。お父様の時のような事になって、後悔があってはいけない・・・すこし失礼な言い方かもしれませんが、妹さんよりお母さまの事をよほど考えていらっしゃると思います。

相続や終活全般のご相談に来られる方にお話しするのですが、親御さんが元気なうちに相談された方が、差し迫っているときより余程前向きに、明るく終活出来ると私は思っています。 

例えば余命宣告をされた後、認知症で本人が意思表示を出来なくなった後で、妹さんとお金の話しや相続、葬儀のお話をする事を想像してみてください。

もしかしからお母さんが亡くなってしまう、そんな猶予の無い中で、冷静にお話するのは却って難しくないでしょうか?

お元気なうちなら、まずご本人の意志を平和に伝えていただくことが出来ます。

本人が決めていないから法律で定めた相続(法定相続)をする訳で、姉妹で葬儀の後に財産の相続などで揉めたりしない為にも、ご本人が元気なうちに〝私はこう考えているけど“、と相続についての子供たちへの意志を伝えて、遺言を用意しておくのも、娘さんの為に出来る終活かなとも思います。  

N様のお母様ご自身のお金ですから、ご自身できちんとしておく事が大切なのです。そして縁起でもない?事は、亡くなる事だけではありませんよね。

いろいろな「もし」・「かもしれない」を考えて家族でお話するのが大切です。

認知症が進んでしまったら・施設に入ったら・延命治療は望むのか・どこで最期を迎えたいのか・最後に誰に知らせて欲しいのか・葬儀をどのようにしたいのか・宗教者は必要なのが・お骨をどう供養して欲しいのか・・・・先送りにせず、元気なうちに、お母さまが娘さん2人に希望を伝えておく事が一番なのではないでしょうか・・。

考えたり、話をしておくことは、決して〝悪いこと″でも、〝縁起でもない″事でもないのです。ただ、相談に足を運んでこられた方は、「まだ元気なのに、親の亡くなる時の話をするのも良くないとは思うのですが・・・」と開口一番おっしゃる方もいます。

私は「逆ですよ!後悔したり揉めたりしない為、じゃあこうしておこうねと決めておけた方が、元気で長生きするためのお守りになりますよ!!」とお伝えしています。

実際、良くない事と何も相談せず、決めていなかったら、Nさんのお父さんの時のお話の様に、看病で疲れ、悲しみに打ちひしがれ、冷静に判断できない精神状態で、急な判断を迫られる事になります。

お見送りされた経験がある方ならお分かりになるかも知れませんが、お亡くなりになったら、お迎えの手配、ご安置先、宗教者の手配、誰に連絡すべきか、日程、金額・・・葬儀後の手続き、財産分与・・・家族が亡くなったばかりなのに、次々に迫ってくるのです。

事前に相談しておけば、何十年後にたとえば余命宣告を受けたとき、心の中に、「なにかあったらどうしよう・・・・」という不安を多少なりとも払拭しておけますし、「葬儀社を決めないと?親戚に声をかけるべき?費用は?お母さんのお金は?」というような心配を頭の中でもやもやせずに、家族みんなで残された時間だけに気持ちを傾けて過ごせるのではないでしょうか。

当社で葬儀を行う喪主又はご本人が事前になんらかの形で相談(対面・資料のやりとり・電話など)をされている方は60%以上です。

そしてその中で一度どなたかを見送って、その時になにも決めておらず大変な思いをしたので、今回は事前に葬儀社などに何件か聞いているとい方が沢山おられます。

結論として、必要なく、しなくても変わらない様なものでしたら、いちどお見送りした人が事前相談を利用するはずもありませんから、事前の終活・相談は沢山の方が必要性を感じている事と断言できます。

又、事前に相談しておらず、後悔する事はたくさんありますが、相談しなければ良かったと後悔する方はまずいません。

当社ではエンディングノートなどを差し上げて、葬儀だけを切り取ったただの葬儀の相談ではなく、終活全般のアドバイス、相続サポートなどをしています。

事前相談をしておいた方が良い点として、時間や心に猶予がありますから、お墓、葬儀社、相続対策、全てにおいて比較検討が出来る事です。

一昔前は「親の死ぬときの事なんか縁起でもない!!」は当然の事であったとおもいます。

なぜなら、相続は、家督相続※ で(かとくそうぞく)※とは、明治31年7月16日から昭和22年5月2日まで施行されていた旧民法の遺産相続の方法で、「戸主(こしゅ)」が隠居や死亡をした際、長男がすべての財産、および戸主の地位を相続していました。

相続で争う余地もなく、長男が相続し、財産以外にもお墓などの一切を引き継ぎ、葬儀は長男が立派に喪主を努め、葬儀のとりまとめ、準備、接待は隣組が進行し、檀家の寺が相談せずともやってきたので、そんな必要がなく、昭和22年までと言っても当然の様にあった相続と葬儀の慣習が長く残っていたからです。
決まっているのに、そんな事口にするだけでもとんでもない話だった訳です。

しかし、現在は事情が全く異なってきているので、元の話にもどりますが、大切な方の為に『後悔しないお見送り』・『争わない相続』の為には、事前相談が必須な時代と言えるのではないでしょうか。

Nさんもまずはお母さまとそのような事を含め、お母さまの為に話をしようと伝えてみてください。

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