
1987年生まれ、福島県出身。喜多方高校、大阪芸術大学卒。卒業後は映画関係のアルバイトをしていたが、30歳になる前に定職につくことを決意。人の手でやらないといけない仕事を探し葬儀会社へと転職したという。趣味は映画鑑賞と読書。
一度しかないご葬儀を自分の手で
樋口さんが打ち合わせの際大切にしていることはなんですか?
この仕事は「慣れ」が一番の大敵だと思っています。お客さまは葬儀に参列したことはあっても、喪主を経験するのは初めてという方がほとんどですから。それにどんなお葬式も故人さまやご遺族の方にとっては一 度きりのもの。だからこそつねに初心を忘れず、お話を親身に聞き出す努力をしています。
樋口さんがかかわった記憶に残るお葬式を教えてください。
喪主である娘さんから、交通事故で亡くなられたお父さまのお式のご依頼がありました。突然の事故でご遺体に損傷もあって...。エンバーミングを提案させていただいたところ、生きているときのようなキレイなお姿になりました。棺の中のお父さまを見た娘さんが大変よろこんでくださいまして。数百名もの参列者が来られた大きな葬儀で、最期のご挨拶が無事に終わり希望どおりの式ができたのはうれしかったですね。
思い出に残る式の陰で黒子に徹する
樋口さんはこのお仕事はお好きですか?
大好きですね。お客さまから「樋口さんにやってもらえてよかった。」と言ってもらえるうれしさは、なにものにも変えられない幸せです。ご葬儀が終わるたびいつも、「ほかの人じゃなく自分がやってよかったかな」と自問自答していますね。「私のときもよろしくね」と言っていただけるのは光栄ですが、葬儀マンの使命は黒子に徹することだと思ってもいます。お客さまの記憶に残るのは式だけでよくて、終わったら私のことは忘れてもらえたら成功なんですよ。
葬儀社選びで大切なことって何ですか?
もし葬儀社選びで迷ったら、担当者にどんどん質問してみてください。返答の内容や対応から親身さが伝わってくる人を見つけるといいと思います。そのためにはメールだけでなく電話で、電話よりも直接顔を合わ せて話すとわかりやすいですよ。納得のいく会社に出会えることを祈っております。

インタビュー後記
芸術大学で学んできた経歴から、「死生観」にもともと興味があったという樋口さん。IT 化が急速に進む 現代においても「人の手がないと成立しない仕事」がしたいと、葬儀業界に飛び込んだのだそう。「黒子に徹するのが葬儀マンの使命」「お式が終わったら私のことは忘れてほしい」との言葉にはドキッとさせられましたが、樋口さんのひかえめでやさしい性格がよく表れているように感じました。
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