まちの仕事人インタビュー
クラウド会計で経営を加速させる
アライブ税理士法人 代表社員税理士 曽田 敏彦 (そだ としひこ) さん インタビュー

銀座の老舗洋食店の料理人として社会人をスタート。東京郊外の眼鏡ローカルチェーン店に転職し、20代から店長を任されるなど、延べ2万人に眼鏡の販売と加工を行う。本部へ異動し、販売促進企画部長を任されるものの、時勢の変化に対応しきれなかった会社は倒産。自らが経験した倒産という悲劇にあう中小零細企業をなくすため、財務面からのサポートを行いたいと決意し、税理士資格を取得。現在は「アライブ税理士法人」の代表社員税理士を務める

会計を経営に活かす

今の仕事をはじめられたきっかけを教えてください。

当時勤めていた、眼鏡ローカルチェーン店が倒産したことが、税理士を目指したきっかけです。この職場には、深夜まで料理人として激務をこなしていた、私の手先の器用さを知っていた父から「友人が眼鏡屋をやっているから、そこで働いてみたらどうだ?」と紹介されて転職しました。確かに目の検査や眼鏡の加工など、クリエイティブさや手先の器用さを求められる職場でしたね。27歳で店長になり、10年ほど八王子の店舗で働いていました。その間にチェーン店はどんどん増え、店長としての実績を認められた私は、本部で販売促進企画の部長として旗振りをすることに。順風満帆に見えていましたが、バブル崩壊のタイミングから一気に逆風が吹き始めます。当時、高級路線で富裕層を対象としたお店作りとサービス設計をしていたこともあり、売り上げは急降下。店舗の買取りを絡めた各店長への肩たたきも始まりました。そんな身の振り方を意識せざるを得ない状況で、会社の顧問税理士から「曽田さんは資格を取ったらどうかな?」とのアドバイスが。元々、富裕層をお客さまとしていたので、資格を持つことにより、これまでにお世話になった方へ、引き続きお役に立てるのでは?と考えるようになりました。また、店舗経営を通して、会社にまつわる数字にも興味を持っていたため、学ぶのであれば中小企業を支援できる資格が良いと考え、35歳のときに“簿記”の資格を取りました。簿記1級まで取得したものの、当時は30代での転職が難しく、苦労しましたね。なんとか街の会計士さんに拾っていただき、そこから本格的に中小企業の支援をスタート。40歳を過ぎたタイミングで、今の会社の母体となる事務所へ入社。2019年にアライブ税理士法人“新百合丘事務所”を開設しました。

仕事の特徴は、どのような点にありますか?

『クラウド会計』を経営に活かす会計事務所です。これまでの会計業務は、士業が定期的に取り扱う小難しいものという認識がありました。しかし、現在ではAIの進歩などもあり、クラウド会計を活用することで、日々の簡単な入力により、いつでも最新の会計データを確認できる環境が整っています。クラウド会計を導入する効果は、会計業務に関する企業側の負担も減るだけではありません。人事、労務関係の情報を連携することで、社会保険の手続きが一気通貫で行えるなど、社内での経営管理についても楽になるのです。しかも、売り上げや仕入れについてもリアルタイムで数字を反映できるため、経営状況を把握するためのレポートとしても活用されており、「どこをどう改善すれば、効果が上がる」などの対策を、素早く立てて軌道修正している法人は多いですね。もちろん、最初は操作に慣れないなどのご不安があるかもしれません。そこで、弊社では「レクチャー型税務顧問サービス」を行っています。顧問先の担当者や経営者に、クラウド会計への入力記帳を覚えていただくサービスで、“業績の把握がしやすくなる”“決算書が読めるようになる”“経理・税務の知識が身につく”などの効果があります。お客さまの理解が深まれば深まるほど、私がサポートする機会は減るため、少し寂しい気持ちもありますが、業績の見込みを把握しながら、積極的に経営に向き合うお客さまを見ることができることで、それ以上に嬉しい気持ちでいっぱいです。


会社を大きくしていくパートナー

どんなお客さまが多いですか?

中小企業と、法人成りを目指す個人事業主の方が中心です。30代~40代の経営者も多く、最近ではIT企業からのご相談が増えてきましたね。お客さまからお客さまをご紹介いただく機会も多く、事務所は新百合ヶ丘駅にありますが、東京の港区や渋谷区のお客さまも多いです。現状他の会計ソフトや会計事務所を使っている法人からのお問い合わせは非常に多く、ソフトやサービスを乗り換えられたお客さまからは「今までよりも入力が簡単になった」「内容について良く分からずに入力していたものが、レクチャーしていただいたことにより、分かるようになった」など好評です。最近では、飲食や小売業を中心にPOS(販売時点情報管理)システムを導入したレジやタブレットなどの端末の利用が増えていますが、これらをクラウド会計と連携することで、常に最新の会計データを把握できるようになります。また、クラウド会計のサービスは時代に合わせて常に内容が進化していくことから、ますます利用が増えるだけでなく、クラウド会計を使っていない企業と使っている企業の、会計情報を把握しているスピードと質の差が、経営判断の差につながり、経営力の違いとなる時代がすぐそこまで来ていますね

仕事をするうえで、心掛けていることを教えてください。

“親身になって考える”ことを徹底しています。これは眼鏡ローカルチェーン店にいたときに学んだことですね。事業が高級路線だったこともあり、当時のお客さまには富裕層も多く、中途半端な接客ではとても対応しきれません。お客さまそれぞれの主張や考えに耳を傾け、小さな会話の中からヒントを捉え、親身になって考えて行動する習慣が身につきました。また、“一歩下がった視点を持つ”ことも意識しています。これは、私に中小企業での勤務経験があり、会計士の先生に色々と教わった税理士という少し変わった経歴によるものですが、税理士以外の視点からも、経営にまつわる財務全般のサポートをしたいと考えているため。また、私の周りには信頼のおける弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、弁理士、中小企業診断士など多くの士業がいます。企業の成長に合わせて、最適な士業の方をおつなぎしています。一緒に会社を大きくしていくパートナーとして、スタートアップから社歴の長い企業まで幅広く対応していますので、お気軽にご声がけください


インタビュー後記

同世代の税理士では頭一つ抜けたITリテラシーを持ち、お客さまの要望に応えようと、絶えず学びを続けられる曽田さん。「企業と一緒に成長しているだけですよ」と謙遜されるが、彼の知識と知恵が、企業の成長の一部をけん引していることは間違いない。変化の多い現代において、経営状況をリアルタイムで把握できるクラウド会計の導入は避けて通れない。同じ道を通るのであれば、隣に曽田さんがいると安心だ。

お問い合わせ

名前:アライブ税理士法人  新百合ヶ丘事務所

住所:神奈川県川崎市麻生区万福寺6‐2‐23エムエスビル301

電話:044-299-9431

メールアドレス:shinyurioffice@alive-tax.or.jp

HP:https://www.kaikei-home.com/shinyuri-alive/

*ご相談の際は、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝えください。