葬儀の仕事をしていると、明日は我が身だと思ってしまうような亡くなられた方のエピソードをお聞きすることがあります。亡くなられた方の年齢が90歳以上の方が増えているのに平均寿命が大きく変わらないのは、若い方の葬儀も少なくないからだと思います。特にここのところ、暑い日が続いたせいなのか?それとも、コロナの影響なのか?よくわかりませんが、若い方の葬儀が増えているように思います。

 

私の友人もご夫婦で買い物に出かけていたところ、突然倒れて一時心肺停止になったそうです。彼の場合は懸命なリハビリのおかげで、現在は元気に回復しておりますが、彼が倒れたのが40歳の時ですが、とは言え、奥様と一緒にお出かけしていなかったら、単独で倒れていたらなどと考えると、奥様に感謝するとともに、独りだったら命を落としていたかもしれないですよね。

 

また、テレビCMでお馴染みの転職サイトの運営などを手掛ける「ビズリーチ」の多田洋祐社長が、急性心不全のため亡くなっていたことが分かりました。40歳だったそうです。多田社長は7月2日に友人とゴルフをしていたところ、突然倒れ、亡くなったということです。

 

テレビCMを打てるほどの大きな企業の社長がゴルフ中に40歳の若さでお亡くなりになるという衝撃的なニュースは、多くの方々に色々なことに気をつけなきゃいけないって思ったと思います。

 

多田社長は生まれつき心臓に持病があったと報道されておりました。また、7月2日と言えば、35℃を超える猛暑日だったと記憶しております。熱中症の症状が出ている方が搬送されたというニュースがあった日です。そのような事が重なり、体調が急変していったのではないかと予想してしまいます。

 

このように急な体調の変化でお亡くなりなった方は、当然、まさか自分がこんなことになるとは夢にも思っていなかったと思います。まして、ご家族もそんなことを考えることすらなかったのではないかと思うのです。

 

また、会社の社長としてもまだやり残したことがあると思いますし、何かしら申し送りしておきたかった事も叶わぬままだったと思います。そんな状況なのに一緒に働いてきた仲間たちとお別れをしなくてはならい辛さは、多田社長が一番感じていると思うのです。

 

私も不摂生をすることが多いので、この報道を聞いた時には「明日は我が身」と思っておりました。でも、人は忘れていく生き物だから、いつの間にか「明日は我が身」という気持ちも薄れていき、いつしか完全に忘れてしまうのです。

 

あるお坊さんの法話で「人は死をもって大切な人にその人にとって大切な何かを教える」という言葉が私の中では大変心に響いております。「亡くなった方がどうやって大切な人に大切な何かを教えるのさ?」って思う方もいると思います。

 

確かにそうですが、私はこのように考えるのです。お葬式に参列した際に、手を合わせると不思議とその方との思い出が蘇ることがあると思います。そんな時に蘇る言葉はその人にとってとても必要な言葉だったりすると思うのです。

 

私も亡くなったおじいちゃんの言葉を今でも思い出すことがあります。だからという訳ではないのですが、大切な方のお葬式や、お世話になった方のお葬式には参列していただき、手を合わせてみる事てで不思議な教えをいただけることがあると思うのです。それが、お葬式に参列する意味ではないかと思うのです。

 

 

 

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著:一級葬祭ディレクター 小林大悟