区民ニュースがお届けする医療・健康コラム。
第一弾のテーマは妊娠・出産。今回は第三回(全三回)「産後ケア」についてです。
今回の記事の内容は全て港区の東京都済生会中央病院に監修いただております。
今回のコラムはぜひ男性にも読んでいただきたい内容です。
産後ケアという言葉をご存知ですか?
出産後の女性は体力・気力が弱っているだけでなく、ホルモンバランスも崩れており心身共に非常に不安定な状態です。更に新生児の育児が重なり非常に大きな負担がかかります。
産後という母親にとっていろいろと困難な時期に安心して子育てできる状態へ様々なサポートやケアをすることを産後ケアといいます。
(※広義では母親の社会復帰までのケアを指す場合もあります)
事前に相談することをお勧めします
現実的な問題として、実際にケアが必要な場合には、既に心にも体にも余裕がありません。
核家族化や地域社会の変化により、家族や地域にサポートを期待しても環境的に難しい場合が増えました。特に第一子の出産の場合は(父親は言うに及ばず)母親も分からないことだらけで、出産後では対応が難しい状況に追い込まれることがあります。
是非、出産前の落ち着いている段階に情報を集めて準備をしておいてください。
産後ケアは大きく分類して3パターンあります。
・宿泊型産後ケア(医療機関に新生児と一緒に宿泊する)
・訪問型産後ケア(シッターさんを派遣してもらう)
・相談窓口(悩みを話してアドバイスをもらう)
自治体が運営している場合や民間運営でも補助が効く場合があります。まずは区役所あるいは保健所に相談してみましょう。
特に宿泊型産後ケアは事前申請の場合もあります。ご注意ください。
宿泊型の産後ケアについて教えていただきました
今回のコラムを監修いただいている東京都済生会中央病院に「宿泊型産後ケア」について教えていただきました。
ー宿泊型産後ケアでどんな効果が期待できますか
出産の疲れからくるマタニティブルーなどを癒し、ゆっくり育児相談を受けていただけます。産後も安心して育児に取組めるようにサポートしながら、お母さんの心身の安定をはかります。
ーどんな悩みや問題を持つ母親が多いですか?
核家族化により相談する人もなく休む暇もなく、慣れない育児を一人で行わなければならないお母さん達が増えており、その不安から産後鬱などの問題も生じています。
ーこれから出産・育児を迎えるママに一言お願いします
出産は妊婦さんにとって人生における大きなイベントです。しかし、それが無時に終了し、赤ちゃんを抱いた瞬間から育児がスタートします。出産・育児にまつわる心配ごとに産前から丁寧に関わっていけるように体制を整えて、スタッフ一同全力でサポートします。
いかがでしたでしょうか?全三回でお送りした「妊娠・出産」をテーマにした医療コラム。
少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
今回監修頂いた港区の東京都済生会中央病院の皆さまに御礼申し上げます。