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将来に向け相続放棄を検討しています。
(2年前の記事です) 掲載日:2022/12/25
現在父、母、兄(未婚で実家で親と同居53歳)、妹である私(夫とは死別。団体信用生命保険で住宅ローンは無し。築30年のマンションで一人暮らしです。子供はいません。)の家族なんですが、父名義の不動産が実家を含めて4つあるものの相続時に確実に揉めそうで相続放棄を検討しています。
・土地は20坪程度しかない実家。築50年。駅チカだから更地にすれば利用価値はありそう。
・ボロボロの木造アパート6部屋(現在入居者は二人。それも父の知り合いで契約書も無し。口約束で毎月手集金)
・駅前商店街にある店舗用賃貸物件2件。しかし現在空きで誰も借りてくれなさそう。リフォーム代がすごく掛かると思います。
私自身不動産に興味はなく揉め事に巻き込まれるのはまっぴらごめん。兄は実家を出るつもりがないようですがもし父が亡くなり、私が一旦相続放棄しても兄が亡くなれば最終的には私がなんとかしないといけないのかと思うと両親が健在の今の時点で憂鬱で仕方ありません。
色々ネットで検索し調べましたが、どうすればいいのか分からなくなってきました。いざとなったら私は何から始めればいいのでしょうか?
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

お父様に万一のことがあった場合には、相続放棄をする意思があることを伝えつつ、不動産の売却について家族で相談してみることをおすすめします。
現在、H様のお父様は4つの不動産をお持ちですが、今後どうするのか家族でも話し合いがもたれていない状況のようにお見受けします。
なるべく早い時期に、不動産についてお話し合いを持った方が良いと思いますが、いざ、お父様がお亡くなりになった時しか、機会がないかもしれません。
相続時に揉めそうだと不安に思われているようであれば、相続放棄をする意思があることを伝えた上で、条件として、負の遺産として残さないようにお兄様にお話してみるのも良いかもしれません。
立地もよさそうですし、売却などの話を進めようと思えば簡単に進むかもしれません。大事なのは、きっかけです。機会を逃すとズルズルと行ってしまう可能性が高いと思います。
では、仮に、話し合いがうまくいかなかった場合にどうすればよいかとというと、お兄様の相続の際にも、相続放棄をすることは可能です。
お兄様の相続で相続放棄をすると、ご両親は既に亡くなっておられるでしょうし、他に相続人はいないでしょうから、相続人が他に誰もいない状態になります。
このような場合、相続放棄をしてもそれで終わりというわけにはいかず、手続をしないと相続人としての義務が完全にはなくならないので注意が必要です。
具体的には、相続財産管理人の選任を家庭裁判所へ申し立てます。
相続財産管理人は、遺産の状況を確認し、例えば未納状態になっている税金や借金などがないかどうか調べ、それらを清算したうえで、残りを国有財産とします。
つまり、費用さえ払えば、H様がやらなくても、相続財産管理人が必要な清算手続きをしてくれ、最終的には国有財産にすることが可能です。
ただ、せっかくの財産です。方向を決めて有効にご活用いただきたいと思います。そのためにも是非早い時期に、話し合いを持たれて下さい。
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