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一粒万倍(いちりゅうまんばい)とは、

一粒の籾が万倍にも実る稲穂になる

という意味。

何事を始めるにも良い日ともされ、

仕事始め、開店、出店、お金を出すことに

吉であるとされる。

一粒のヒントやアイデアが

あなたの運を万倍にする。

ビジネス評論家石塚 毅の

ビジネス系開運コラム。

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先日の10月1日にアントニオ猪木(猪木寛至)氏

が亡くなりました。

小学5年生の時にテレビの「新日本プロレスリング」に

たちまち夢中になり、本当に影響を受けました。

今号は私なりの追悼を氏の著作の書評という形で

させていただきます。

 


1、『猪木寛至自伝』アントニオ猪木著(新潮社)

 

この本は1998年に出版されています。新刊を

池袋東武の旭屋書店でサイン入りで買った記憶が

あります。

当時20代の私はいかにも格闘技系の本とは

ちょっと違う、硬派で、赤裸々なこの本にたちまち

引き込まれました。

おそらく、通しで100回以上は読んでいます。

 

 

2、起業家アントニオ猪木

 

プロレスラーアントニオ猪木は実は起業家であること

がこの本を読んでよくよくわかりました。

新しいことを始める、起こすことをもの凄い回数やって

来ているのが猪木氏の人生です。

この本の中でも、

 

・東京プロレス旗揚げ

・新日本プロレス旗揚げ

・モハメド・アリ戦興業の起ち上げ

・アントンハイセル事業を起業

・飲食店を起業

 

と、さまざまなビジネスに挑んだストーリーが

具体的に赤裸々に書かれています。

特にアントンハイセル事業(サトウキビのリサイクル

事業)は大失敗に終わり、40代、つまり僕が

小学生時代にテレビで観ていたアントニオ猪木は

当時信じられない金額の大借金を抱えて自殺

を考えるくらい悩んでいたことをこの本を読んで知り

なんともいえない気持ちになりました。

 

 

3、強烈なエネルギー。時代に早過ぎる男。

 

起業家アントニオ猪木は失敗の連続です。

驚異的でケタ外れの人間的な魅力は多くの人を

虜にするが、カネで恨みを買った人も同じく大変な

人数に上るのだろう、と想像してしまいます。

 

失敗要因は「時代に早すぎる」こと。

時代に合う、合わないは新規事業の成功率を

大きく左右します。時代の半歩先くらいがちょうど

いいのですが、おそらく猪木氏は起業家として常に

2歩も3歩も先に行っていたのでしょう。

 

とはいえ、これから何かに挑戦しよう、新しいことを

始めようとしている人にぜひ読んで欲しい一冊です。

苦しい時に何を考えるのか、不遇な自分とどう向き

合うのか、がこの本には凝縮されています。

 

起業家  猪木寛至さんに心から哀悼の意を

表します。安らかに眠ってください。

 

 

(了)



石塚 毅(いしづか たけし)

1970年生まれ。ビジネス評論家。担当実績7,000社、相談実績15,000人に

裏付けされた企業経営・ビジネスモデル・社風・人材の情報通で博覧強記。

話がおもしろい!と評判。

ご質問・ご相談などはこちらまで。

ishizuka@keiei-c.jp