まちの仕事人インタビュー
夢を乗せて走り続ける
スーパーウィンズレーシングチーム レーシングドライバー 下村 剛司 (しもむら つよし) さん インタビュー

1996年生まれ。横浜市青葉区出身。学生時代よりスイミング、野球、バスケットに打ち込み、大学一年生のときにレースの世界へ飛び込む。趣味はライブ鑑賞、サッカー観戦

でも、レーシングドライバーになるんだろ!?

レーシングドライバーを目指されたきっかけを教えてください。

元々父がF1好きで、旅行がてらスーパーGTなどを年数回見に行くような家族でした。物心ついたときから、ずっとレーシングドライバーに憧れていましたね。大学に入り、自分でアルバイトをしてお金を稼げるようになり、自由になる時間も増えたことから、本格的にレーシングドライバーを目指して活動を開始。私服で参加できる軽いカートのレースを始め、色々なサーキットに行き、数々のレースに参加したことで、業界の人とのつながりもできました。それなりに結果も出ていたため、満を持して、大学一年生でレーシングチームのオーディションへ。そこでは、研修生としての合格をもらったのですが、活動にかかる費用が自分の想像を遥かに超えていて、チームに加わることができませんでした。この経験は、全くレースの世界の知識がなかった私に2つの気づきを与えてくれました。一つは『予算』。レースを続けるには、想像以上にお金がかかること。もう一つは『時間』。大学の授業の合間にできるかなぁと軽い気持ちで考えていましたが、サーキットでの練習以外にも、体力づくりや、マシンに関する知識の勉強など、レースに関わるためには多くの時間が必要だと痛感しました。お金がネックで夢について考えることが嫌になったとは言いたくなくて、人からオーディション結果を聞かれる度に「なかなかレーシングドライバーになるのは難しい」と曖昧に答える日々。そんなある日、高校の友人にいつもと同じように曖昧な答えを伝えたところ、「でも、レーシングドライバーになるんだろ!?」とピシャリ。強く背中を押されたような気がして、改めて自分のエンジンに火がつき、新たなスタートを切るきっかけとなりました。翌年の大学二年生の1年間は、できるだけアルバイトを入れてお金を稼ぐことで、レースチームに加わるために準備の期間と設定。そんな中、オーディションで知り合った人から、現在所属しているレースチーム『スーパーウィンズ』の社長を紹介していただき、走りをみてもらった結果「ウチで面倒みてあげるよ」と言っていただいたことで、現在に至ります。

レーシングドライバーになってみて、どうでしたか?

チームに加わった年から、レースでは入賞することができました。今は少しずつ活動のステージを上げています。レーシングドライバーになって改めて感じることは、オーディションの時と同じですが、『予算』と『時間』が重要だということです。やはりレースには色々とお金がかかります、サーキットへマシンを移動させるための費用や、メンテナンスなどなど。ありがたいことにスポンサーがついてくれていますが、やはりお金はあればあるだけの用意ができますから、予算を確保することは重要です。また、時間についても、サーキットでの練習は月に数回ですが、レーシングシミュレーターを使った練習や、体力を維持するためのトレーニングは欠かせません。最善の準備をするために時間は必要です。


つながりを大切にし、常に感謝する

どんな方がスポンサーになっていますか?

地元、青葉区の方が多いですね。法人は、特にどの業界が多いなどの偏りはありません。個人スポンサーとして、医療関係の先生や、クリエイターの方もいらっしゃいます。スポンサーになっていただくと、ステッカーをつけて広告することが一般的ですが、私のスポンサーの中には、広告はいらないから、自分がカートに乗るときに、アドバイスをして欲しいと言われる方もいらっしゃいます。SNSでのレース結果の発信を見てご連絡をいただくこともありますね。ありがたいことに、スポンサーは、年々増えています。

レースをするうえで心掛けていることを教えてください。

まずは「結果を残す」ということ。少しでも上を目指していくからには、絶対に外せません。もう一つは「つながりを大切にし、常に感謝する」こと。レースは自分一人の力ではできません。マシンがあり、メカニックがいて、それらをサポートするスタッフがいて、応援してくれるスポンサーも必要です。また、そうした人たちの夢を背負って自分が走っているという意識を、常に持つようにしています。最近、感謝を表現する方法の一つとして、カートのイベントを主催するようになりました。これは、未経験の人にカートの面白さを体験してもらうことで、レース業界にもっと興味を持ってもらいたいと考えて始めたものです。レースファンが増えることで、関係者への恩返しができればと考えています。また、いつかはペーパードライバー向けに運転教習も行いたいですね。レーシングドライバーは、車を安全・確実に乗りこなすのが非常に得意です。そのスキルをお伝えすることで、久しぶりに運転しようと考えた方のお役に立てると思っています。これからも結果を積み重ねていきます!みなさん、是非レースを見に来てください!応援よろしくお願いします!


インタビュー後記

小学校の卒業スピーチで「レーシングドライバーになる」と宣言した下村さんは、そこから様々な大人の事情を知ってもなお、プロのレーシングドライバーを目指し続けている。周囲への感謝の気持ちを忘れず、人生をアクセル全開で走り続ける下村さんを、これからも応援したい。

お問い合わせ

名称:下村 剛司

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