今回は、数年前に起きたある事件についてお話ししたいと思います。警察署を訪れた60代の女性が『数年前、旦那が亡くなり、そのままにしている』と話し、自宅からは夫とみられる白骨化した遺体が見つかったという事件です。



この女性は『数年前に、朝起きたら旦那が亡くなっていた。金に困って、葬儀もできず、どうしていいかわからなくて、そのままにしている』と話したということです。これは、立派な犯罪で死体遺棄罪に問われます。

  

また、火葬してご遺骨にしたにも関わらず、『ご遺骨の面倒を見きれないので預かって下さい』と葬儀社にご遺骨が送られてきた事件や、電車の網棚にご遺骨を置いたままにして行方が分からなくなった事件なども遺棄罪という犯罪になります。

 

これらの話しを聞くと、とても悲しい気持ちになる一方で、これが日本の超高齢社会の目を背けてはいけない現実であり、どうにかならないのかと考えさせられる事件だと思います。

 

今後、ますますこのようなお話しや、介護を苦に自殺や殺人なども耳にするようになってくると思います。何かしらの対応を考えねばならないと思うのです。私は詳しいことはよくわかりませんが、生活保護受給者よりも少ない年金で生活している方もいると耳にしたことがあります。なんだか切ないですよね。

 

生活保護受給者であれば、行政から火葬する費用を持っていただけるけど、少ない年金生活の高齢者にはそのような制度はありません。葬儀後に数万円行政から葬祭費と支給されるくらいです。

 

葬儀代くらい残しておかないといけないという気持ちよりも、明日生きていくためにお金は使いたいという気持ちになってしまうのも理解できない訳ではありませんが、やはり、事件を起こした人の『年金を不正受給しようと思った』という供述を聞くと、葬儀を後回しにしてでも数万円が欲しいと思ってしまうのは、現代病のひとつなのかもしれないって勝手ながら思ってしまいます。

 

こんなお話しをすると『葬儀代金が高いからこのような事件が発生する』という謎のコメントを残す方もいます。確かに葬儀代金というよりもオプションによって高額にしていく葬儀社もあるくらいですから、言葉を選ばずお話しすれば、『葬儀代金=ボッタクリ』という考えの方もいらっしゃるので、そう言った過去の負の遺産とでもいうのでしょうか、特定の葬儀屋さんがやって来た事が招いた結果というのも頷けます。

 

このような事件を見聞きした時に『自分はこうならないようにしないといけない』と思いつつも何をどうしたら良いのかわからないと思います。だからこそ、葬儀屋さんは、そのような方々を助けていく立場に変わって行かなければならないと思うのです。

 

その為にも、みなさんに知っておいて欲しいのは、生前に色々と相談に行くことをして欲しいのです。だいたい、『まだまだ元気だから(笑)』と真剣に話を聞かずに、鼻で笑いながらこのブログを読んでいただいているあなた!!

 

実は、遺言を書いておいた方が良い人かもしれませんよ。

子供たちは仲が良いからと思い込んでいるあなた、あなたの財産である不動産をどのように均等に分けるおつもりですか?

健康に自信のあるあなた『認知症』になったら色々と契約できなくなりますよ。

 

元気だからこそ備えて欲しい世の中になっているのです。

何度も言いますが、今回、書かせていただいた事件は立派な犯罪です。あなたが犯罪者にならない為にも、元気なうちから備えませんか??

 

こちらのブログをご覧のお葬式のご相談をご希望されている方は、メールにてお葬式の事前相談を実施しております。あなたがもしもの時に慌てない為にも是非ご活用ください。d.kobayashi.sousaidr1@gmail.com  (1級葬祭ディレクター  小林大悟  相談メール)

 

 


著:一級葬祭ディレクター 小林大悟