
株式会社inadogを経営する稲田敦さん。大阪府出身の53歳。会社員時代にブログアフィリエイトを始めたことをきっかけに、YouTubeにも挑戦。2015年から本格的に取り組み、毎月安定して収益を得られるようになったことを機に、2017年に独立した。現在は自身で運営する歴史系YouTubeチャンネルを持つほか、企業や個人のYouTubeチャンネル運営をサポート。2022年には株式会社inadogを設立し、現在はAIを活用した業務支援にも力を入れている。
今の仕事を始めたきっかけを教えてください。
もともとは会社員として働いていましたが、仕事をしながら副業としてブログアフィリエイトを始めたことがきっかけです。後輩から教えてもらい、パソコン1台で取り組めることに面白さを感じました。1年ほど続けるうちに、月5万円ほどの収益を得られるようになり、「こんなことができるんだ」と驚いたことを覚えています。
その後、YouTubeに出会い、2015年から動画投稿を始めました。試行錯誤しながら続けていくと、毎月50万円ほどの収益が3カ月続くようになりました。そこで妻に「独立させてもらえないか」とお願いし、会社員を辞める決断をしました。妻が背中を押してくれたことには、今でもとても感謝しています。
会社設立までの経緯を教えてください。
YouTubeで独立したのは2017年です。当初は顔を出さず、自宅で動画を制作するスタイルでした。自分のチャンネルを運営しながら、少しずつYouTubeに関する知識や経験を積み重ねていきました。
その後、知人などからYouTubeについて相談を受ける機会が増え、「自分が培ってきた経験を、人の役に立つ形で提供できるのではないか」と考えるようになりました。現在は、自分自身のチャンネルだけでなく、お客様の事業やサービスを知ってもらうためのYouTubeチャンネル運営もサポートしています。
2022年に、売上が1,000万円を超えたタイミングで法人化しました。個人事業の頃からお世話になっていた税理士さんにも相談しながら、株式会社inadogを設立しました。
会社の特徴を教えてください。
株式会社inadogでは、YouTubeを活用して、お客様の事業やサービスをより多くの方に知っていただくためのサポートを行っています。私自身、長年YouTubeを運営してきましたので、実際にチャンネルを育ててきた経験を生かせることが特徴だと思っています。
現在、自分で運営しているチャンネルは2つあり、登録者数はそれぞれ18万人、21万人ほどです。どちらも歴史をテーマにしていて、特に戦国時代や江戸時代などを中心に、50代、60代の男性にも楽しんでいただけるような動画を制作しています。これまでに制作した動画は、2つのチャンネルを合わせて約4,000本になります。
また、お客様の業種はさまざまです。学習塾や建設会社、行政書士など、それぞれ異なる分野の方と一緒に仕事をしています。業界が違えば課題も変わりますので、その都度考えながら取り組んでいます。
人の課題を見つけて、それを解決して役に立ちたい

お仕事で大切にしていることを教えてください。
一番大切にしているのは、「まずは与える」ということです。言い換えると、「損して得取る」という考え方に近いかもしれません。
YouTubeは、始めたからといってすぐに結果が出るものではありません。私自身も、最初の頃はなかなか思うような結果が出ませんでした。だからこそ、お客様にも最初から大きな負担をお願いするのではなく、まずは実績をつくっていただき、成功していただくことを大切にしています。
実際に、モニター価格のような形で一緒に取り組み、成果を出していただくこともあります。YouTubeは半年ほど取り組んでも結果が出ないこともありますが、これまでの経験から、どんな条件なら成果につながりやすいのかが少しずつ分かってきました。
お客様に喜んでいただくことが、何よりうれしいですね。自分のチャンネルが伸びること以上に、お客様の動画が伸びて、「やってよかった」と言っていただける瞬間に大きなやりがいを感じています。
この仕事のどんなところが好きですか?
いろいろな業界のことを知ることができるところです。自分一人で仕事をしていたら、どうしても自分がいる業界のことばかりになります。でも、YouTubeのサポートをしていると、学習塾にも行きますし、建設会社にも行きます。行政書士さんのチャンネルを担当することもあります。
それぞれの業界に、それぞれの魅力や課題があります。そこで「こういうキーワードなら見てもらえるのではないか」「こういう内容なら伝わるのではないか」と仮説を立てて、実際に動画を公開していきます。そして、予想していた動画が伸びたり、お客様の動画が大きく再生されたりすると、とても嬉しいです。
「売上につながった」「お客様の役に立った」ということがダイレクトに分かるのも、この仕事の面白さだと思っています。いろいろな人と出会い、知らなかった世界を知ることができる。その積み重ねも、この仕事の大きな魅力ですね。
小さな積み重ねが、いつか大きな力になると考えています

今後やりたいこと等、展望を教えてください。
これから特に力を入れていきたいのがAIです。昨年末頃から本格的に学び始め、AIスクールにも通いながら、日々実際に使って勉強しています。
現在は東京商工会議所にも参加していて、AIの活用を推進していく活動にも関わっています。これからは、AIを導入することで企業の業務時間を減らしたり、生産性を高めたりするような具体的な事例をつくっていきたいと考えています。
例えば、建設会社にAIを導入して、業務時間を大きく削減できたというように、「AIを活用すると、これだけ仕事が変わる」というモデルケースをつくれたら面白いなと思っています。
将来的には、「足立区でAIを推進するなら稲田さん」と言っていただけるような存在になりたいです。ただ、自分が何かをしたいというよりも、人の課題を見つけて、それを解決して役に立つことを続けていきたいと思っています。
成功哲学を教えてください。
私が大切にしている言葉は、「継続は力なり」です。YouTubeは、毎日毎日、小さなことを積み重ねていく仕事です。一つひとつの動画だけを見ると、それほど大きなことではないかもしれません。でも、長く続けて振り返ってみると、とんでもない山になっています。
現在は2つのチャンネルを合わせて、月に30本ほど投稿しています。結果として、ほぼ毎日投稿しているような形ですね。昔は制作にもっと時間がかかっていましたが、今はAIも活用することで、作業時間を以前の3分の1ほどにできるようになりました。
私はもともと、そんなに几帳面なタイプではありません。それでもここまで続けてこられたのは、「継続は力なり」という言葉が支えになっていたからだと思います。特別なことを一度やるよりも、小さなことを続ける。その積み重ねが、いつか大きな力になると考えています。
インタビュー後記
稲田さんのお話を伺っていて印象的だったのは、これまでのさまざまな経験が、現在のお仕事につながっていることです。会社員時代には、コンビニで店舗勤務を経験し、店長も務められました。その後、家電卸の営業、そして印刷会社での新規営業などを経験し、さまざまな仕事を通して知識や経験を積み重ねてこられました。その後、ブログアフィリエイトやYouTubeに挑戦し、2017年に独立。YouTubeでは自身のチャンネルを育てるだけでなく、その経験を人のために生かす仕事へと広げていらっしゃいます。お話の中では、学生時代の旅行や転職、YouTubeとの出会いなど、たくさんのエピソードを聞かせていただきました。その一つひとつを楽しそうに振り返る稲田さんの姿が、とても印象に残っています。そして、これから取り組みたいAIについて語られるときの表情からは、新しいことへの好奇心が伝わってきました。「人の課題を見つけて、それを解決して役に立ちたい」という言葉の通り、これからもさまざまな人との出会いの中で、新しい可能性を見つけていかれるのだと思います。今回のインタビューを通して、継続することの大切さと、人とのつながりを力に変えていく稲田さんの姿勢を感じることができました。
お問い合わせ
株式会社inadog
代表者 稲田 敦
〒121-0836 東京都足立区入谷1-26-10-701
*お問い合わせの際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。