まちの仕事人インタビュー
人生100年時代 誰でもチャレンジできる
株式会社アイエヌジーコーポレーション(ウイング警備) 代表取締役 木口 幸路 (きぐち こうじ) さん インタビュー

東京都世田谷区出身。

大学卒業後、上場コンサルタント会社に入社し新人賞を受賞

その後、学習塾の立ち上げをはじめ私学と塾の橋渡しや人材育成など教育関係に長年従事

2016年に株式会社アイエヌジーコーポレーションを起業


趣味は犬の散歩、旧友との飲み会、

スポーツ観戦(若いころは様々なスポーツ、特にラグビー、サッカーは熱心にやっていました)

安心安全はいくらAIが発達しようが、人が必要になってくる


警備会社を立ち上げるきっかけは何だったのですか?

東京オリンピックが決まった時にオリンピックに参加をしたくて、どうやってやったら参加できるかなということを考えて警備の仕事をしようと決め動き出しました。その結果幸いにも選手村の警備を担当することが出来ました。改めてなぜ参加したかったかというと、自分が4歳の時に東京オリンピックが開催されたんですけど、全く記憶がありません。せっかく東京でやるんであれば、その貴重なイベントを身近なところで感じたい、世界のトップアスリートと関わることが出来たらいいなと思ったわけです。無観客の大会でしたので選手村ではメイン会場のごとく、様々な国や地域の人たちや文化を目のあたりにし、交流でき、肌で感じ、充実した日々を体験することができました。


そうした夢を叶えて、その後の経営はいかがですか?

警備は変わりつつありますね!?奥も深いし、やっぱり難しさもあります。昨今の状況というか、本当に人集めが難しいということをひしひしと感じています。最初のうちはまあ人が集まったんですよ。けれども良い人材がきわめて少ない。いわゆる世の中の人が思うように、3Kでおじちゃんがただ立っているような状況のイメージがありましたから、そこのところをまず改善していきました。教育をしっかり行い、クレームがあった時やうまくいかないという声が上がったときに隊員を集めて事例をもとにディスカッションを重ねました。現場では声掛けを積極的に行なうよう指導をして他社との差別化を図るようにしました。ですので当社は、現在人数は少ないですけど、平均年齢は他社さんより若く45歳~46歳です。

人材確保に関して現在は、「青少年自立支援センター」や「若者サポートステーション」というNPO法人の団体があるんですが、その団体は何らかの事情で社会から距離を取ってしまった子であったり、高学歴であっても社会や企業になじめなかった人たちの就労支援を行っていてその団体と連携して警備の仕事の説明会を実施し、社会復帰のお手伝いをしたり、あるいは豊島区や渋谷区などに、「くらし・しごと相談支援センター」というのが役所の中にあるんですね。その人たちとも連携して、仕事を探している人とか生活に困っている人をうちで働いてもらって、自立できるようにしていくという取り組みをずっとしています。こちらが思っているほどたくさんは集まらないですけど、各団体には喜ばれ確実に増えてきてはいます。またうちに入ってきた中で少し社会性を身につけ自信をつけた人たちは、自分のやりたいことを見つけて育っていく人も出てきて感謝されています。

具体的にはどんな警備活動をされているのですか?

作業現場における人や車などの交通誘導がメインです。具体的には上下水道会社や土木会社、いわゆるインフラと呼ばれる生活に密着した地中施設の維持管理や新設、古くなった設備の交換や耐震補強などの工事現場の安全や作業現場に出入りする車両の安全管理だったり、地域住民の安全や同線の確保だったりをします。また、マンション・戸建て・ビルなどの建設の際の資器材や設備の搬出入、クレーン作業や生コン作業などやはり作業現場の安全と地域住民の安全確保や誘導の仕事をしています。例えば商業施設の中でお客さんの安全を確保や防犯の警備とは、またちょっと違うんですね。

土日祝日は、スーパーや店舗の駐車場の警備ほか季節ごとや定期的に行なわれるイベントの警備をします。夏だったら花火、冬だったらお正月の神社の警備、そのほかマラソンや各種フェスと呼ばれるものなどの警備も行います。

人生100年時代  誰でもチャレンジできる


交通誘導などが警備のメイン

社風はいかがですか?

社風としては風通しがいいということ。それから年功序列ではないということ。ですかね!?

当社は今までの経験というよりは、コミュニケーション能力を大事にしています。年齢に関係なく複数人数の現場には隊長と呼ばれる人を配置します。隊長となる人たちは、通常業務はもちろんのことメンバーを指導し管理して現場を安全にかつ作業をスムーズに行えるようにします。その積み重ねがお客様からの信頼を得ることになりリピートや紹介をいただくことになります。彼らが一生懸命やることによって営業マンの役割も果たしてくれているのです。ですので当社には専属の営業マンはいないんです。私ぐらいです。

課題としてはどの業界もそうですが人財の確保です。大きな警備会社さんは、当社よりもはるかに人数も多く高齢化の割合も多いのですごく大変みたいです。そのため若い人を取るのに相当お金を使っているので、我々はなかなか太刀打ちができないです。やっぱり、今まで培ってきた人とのつながりを活かして紹介していただくとか、あるいは今いる隊員が自分の職場がいいと思えば紹介してくれる場合も出てくるでしょうし、そんなところですかね。


今後考えている取り組みはありますか?

それこそ人生100年時代と言われて、結局企業も人も誰でもが新たなチャレンジをいつでもできるようになってるじゃないですか。そうなってくると例えば今まで地元だけで割としっかりとしていた中小企業が、何かをきっかけにあるいは新たな分野で中央に出てきて、さらに基盤をしっかりさせ会社を大きくする。ちょっとその辺の手伝いを何かできないかなと思っています。例えば地方の工務店なり建築会社がやっぱりこちらに出てきて、マンションを作りたいとかいうことになった時に当然警備が必要になるので、そこで業務提携をして業者さんを紹介したり、まあいろんな案があるんですけど、うちや私の経験等を利用していただき人や会社を結び付けたりすることを考えています。もうしばらくは働いて何かの役に立ちたいという希望はあります。まあ、なかなかじっとしていられないタチですから(笑)

会社の行く末、ビジョンはありますか?

今のメンバーの誰かが引き継いでくれればいいなと思っています。一番いいのは、会社がうまくいっている状況で渡したいですね。例えば本当に営業しなくてもいい状況で受注が常に来ているとか、この人数だったらもう安定してやっていけるね。というふうになるとかね。やっぱりいくつかのハードルはあると思いますが早急に実行に移したいと思っています。。今まで警備というのは、あまりいい印象・イメージがなかったと思うんですけど、やはり今後は「安心・安全」というのが前提で、いくらAIが発達しようが何かが優れて人の代わりができるようになって、やっぱり人でなければという部分は絶対に残ると思います。最近の業界の認知もそうですし、こういう業界にも若い人たちが自ら進んで来てくれるといいなと感じています。

インタビュー後記

小学校年代のサッカー監督も務めていたという木口代表。チームの卒業生は今は何をやっているのかなどの会話しながら旧友とお酒を酌み交わすという話をされる時には素敵な笑顔で優しさが滲み出ていらっしゃいました。当時から厳しさの中にきっと優しさがある監督だったのだろうなと感じるとともに、サッカー少年だった私の身も引き締まりました。

あえてこう締めさせていただきます。木口監督ありがとうございました。

お問い合わせ

株式会社アイエヌジーコーポレーション

東京都豊島区高田3-11-14  高田馬場シティハイツ302

TEL:03-6205-5341

HP:https://www.wing-security.work/

*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。